「先輩イラストレーターのおしゃれなポートフォリオサイトをたくさん見て参考にしたい!」 という人に読んでほしい。
なんでポートフォリオサイトを作ろうと思ってるの?仕事依頼をゲットしたいから、ですよね?
だったら、おしゃれなポートフォリオサイトのデザインばかり見て回るのは無意味ですよ。そうじゃなくて、考え方を知りましょう。「目的を達成するにはどういうポートフォリオサイトを作ればいいか」、勉強なしには望みは叶わないですよ〜。
おしゃれポートフォリオサイトは、はっきりいって参考にならない
「参考になるおしゃれなポートフォリオサイト○選!!」みたいな記事を大手ウェブメディアがこぞって書いてますけど、そういう記事で紹介されてるポートフォリオサイトって、ウェブのプロの目線で見ると「いやこれ仕事の依頼なんか絶対来てへんやろ」ってものばかりです。
イラストレーターがポートフォリオサイトを作る理由って、ほとんどが「仕事の依頼がほしいから」です。それについて「やらしい」とか「恥ずかしい」とか思う必要はなくって、私がこれまでセミナーやカウンセリングでいろんなイラストレーターの話を聞いてきた実体験に照らし合わせてみても、むしろ他の理由って人が見当たらないくらい、みんなそう思ってるんです。
見た目がおしゃれなポートフォリオサイト=仕事の役に立つサイト、ではない
「仕事依頼を増やしたい」があなたの望みなんだったら、おしゃれなポートフォリオサイトなんて何の参考にもならないんです。
本当に参考にすべきイラストポートフォリオサイトとは?
本当に参考にすべきポートフォリオサイトとは、仕事の依頼が実際に来ているポートフォリオサイトです。
でも、これを列挙するのは相当難しいのですよね。イラストレーターがブログで「仕事の依頼が来ました!!」みたいなことを表明していたとしても、それが本当かはわからない。知り合いや一般個人からの極めて少額の依頼を「仕事!!」って平気で言っちゃう人もいますから。
もし「ウェブサイトを通じて出版社や企業から仕事の依頼が結構来てます」ってイラストレーターがいたら、その人のウェブサイトを紹介したいですけど、そういう人はあまりおおっぴらには言わないんだよね。そりゃそうなんですよ。同業者に仕事取られたくないですもん、「私のを真似しなよ」なんて言わないほうがふつうですね。
でももし「いいよ」ってイラストレーターがいたらここで紹介したいので、よかったらTwitterとかでコメントください。
ポートフォリオサイトのデザインしか目に入らないクリエイター達
真の意味で参考にすべきポートフォリオサイトって、おしゃれポートフォリオサイトばかり見てきた人が見ると「コレジャナイ感」があると思います。まず、テキスト量が多いです。
また、得てしてそこまでおしゃれでなかったりします。仕事の役に立つポートフォリオサイトを作ろうと思ったら、おしゃれ以外に考えなきゃいけないこと・取り組まなきゃいけないことが山ほどあり、デザインは最後のオマケであり、後回しにされがちだからです。でもこれこそ、正にあるべき作り方です。
「とにかくおしゃれポートフォリオサイトが見たい!」って思っている人には、真の意味で参考にすべきポートフォリオサイトは目に入らない、見つけることができないんです。
そして参考ポートフォリオサイトを見た感想として
「画像にカーソルを置くとふわっと拡大したりするカッコイイポートフォリオサイトを作りたい」
とか
「英文字のかわいいフォントを駆使したポートフォリオサイトが作りたい」
とかどうでもいいことを言いいだすわけです。こうなると、仕事の役に立たないポートフォリオサイトへ一直線。
先輩イラストレーターはウェブのプロではない
「先輩イラストレーターのおしゃれなポートフォリオサイトを見ておけば間違いないはず!!」って思っているイラストレーターも多いでしょう。ここも落とし穴ですね。
まあまあ有名なイラストレーターでも、ポートフォリオサイトは私が鑑定するとアラだらけ・要改善点だらけという例がけっこうあります。実名出すのはちょっとごめんなさいね、好きな人も結構いるだろうので。ウェブサイトよりも人脈や実地営業を重視してきた方なので、そういうことになってるってケースが多いです。
いくら有名なイラストレーターであろうと、界隈で崇められていようと、イラストレーターはイラストレーターであって、ウェブのプロではない
だから先輩イラストレーターもあんまり正しい作り方とかわかってなくて、「仕事の役に立たないポートフォリオサイト」を作ってしまっていることが多い。それを真似したら当然「仕事の役に立たないポートフォリオサイト」が出来上がるので、「あれ?こんなに労力をかけたのに全然仕事増えないじゃない」ってことが起こるのです。
ちなみにイラストレーターでもありウェブのプロでもある、という人も中にはいますが(私はそうです)、だいぶ珍しいです。
儲かっているサイトを参考にしても、同じ効果は得られない
私はウェブのプロといっても、いわゆるウェブデザイナーではありません。ウェブ戦略、かんたんにいうと「こういう商売をしたかったらこういうサイトを作ってこういう活かし方するといいよ」っていうことをアドバイスするのが専門です。
そういう知識があるので、どっかのウェブサイトをみて「このウェブサイトはこういう意図があってこういう工夫をしてるんだな〜なるほど〜」みたいなことはだいたい読めます。でも、表に出ない施策もあるので、見ただけで100%を知ることは不可能です。
何が言いたいかというと、
よそのサイトの表に出てる部分だけをパクるという手法で、おなじように効果の出るサイトを作るのは、プロでもむり
ってことです。
いわんや素人をや、です。
つまり、もしあなたの心酔する先輩イラストレーターのポートフォリオサイトが「企業からの依頼がちゃんと問い合わせとしてきてる」ものであったとして、あなたがそれをいくらジロジロ見てすごくパクったウェブサイトを作ったところで、おなじようにあなたにも依頼が来るとは限らない(ていうかその確率はかなり低い)、ってことです。
ただ、ポートフォリオサイトを作った本人は、おそらく今まで色々と改善をしてきたでしょうから、「こうしたほうが効果が上がりやすいみたい」ということがある程度は把握できているはずです。
なぜその配置にしたのか?なぜそういう書き方なのか?なぜその順番なのか?それぞれ意味があってそうしているはずで、それらの積み重ねの結果、そのポートフォリオサイトは仕事の依頼が来るようになったんです。
ポートフォリオサイトに仕事の依頼が来るには、理屈を知る必要がある
結局のところ、ポートフォリオサイトをちゃんと作るには、他人のを参考にするばかりではダメで、「どう作るべきか」という考え方を知らなくちゃいけないってことです。
「仕事の依頼が来るようになりたい」って思っているのなら、じゃあそのためにはどういう作り方をすればいい?と考えていきます。
日本でインターネット運用が始まってだいたい30年くらい。その間にウェブのプロ達が考え出した「ビジネスの役に立てたかったら、こういう作り方や使い方をしたらいいよ」ってノウハウが世の中にはすでに存在するので、それらを学べばイラストレーターでももちろん仕事の依頼をゲットできるようになります。
「勉強しなきゃならんの?」って思った方。世の中にあまたあるお店や企業の経営者はその勉強を自分でする時間が惜しいので、ウェブのプロにお金を払って任せるんです。イラストレーターだってお金を払ってウェブ制作者に依頼してもいいと思うよ?
でも大半のイラストレーターはお金を払いたくない。でも「仕事増やしたい」という自分の目的は達成したい。だったら勉強するしかありませんよね?
自分で作ることにはメリットもあって、ある程度の技術さえ覚えれば細かいチューニングを自分でできるようになるので、そのほうがビジネスを育てるには効果的って面もあります。お店や企業のオーナーでもウェブサイト自分で運営したい、って声は昨今増えてるんですよ。
「そっか、じゃあ、勉強するかな」って思ってもらえたなら、ぜひ「いしつく!の教科書」をチェックしてみてください。仕事依頼の取れるポートフォリオサイトの作り方・考え方を体系立ててお伝えするコンテンツって今のところ他には存在しないと思うので、よかったらぜひ。
いしつく!の教科書|いしつく! / イラストサイトのつくりかた|note
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »