イラストレーターは自分でウェブサイトを作る人多いですよね。でも、自分の作ったポートフォリオサイトを通じて仕事依頼の問い合わせが来たことありますか?って聞くと大半のイラストレーターが「いえ、そんなことまでは……」と答えるという現実。
なぜそうなってしまうのか?できるだけわかりやすく説明します。
ひとことでいうと「やるべきことをやってないから」
問い合わせフォームやメールアドレスを記載して「お仕事募集中です」と明記したのだから、仕事依頼が来てもいいのに、と思っているイラストレーターへ。
なぜ仕事依頼が来ないのかというと、答えはめっちゃシンプルです。
やるべきことをやっていないから。
言い換えると、ウェブサイトに載せるべき情報を載せていないから。
「問い合わせフォームやメールアドレスを記載して『お仕事募集中です』と明記した」、たいがいのクリエイターはこれで十分だと思っています。
そもそも「載せるべき情報」って何よ?作品を載せているんだから他に何もいらないでしょ?と思っています。
そう、それこそが「せっかくウェブサイトを作ったのに仕事の依頼や問い合わせが来ない」の理由です。
デザインにこだわるポートフォリオサイトは仕事の依頼が来ない理由
イラストレーターやデザイナーの多くがポートフォリオサイトを作るときに気にすることといえば、ほぼこれ一点のみです。
「いかにおしゃれでかっこいいデザインのウェブサイトを作るか」
でも、「おしゃれでかっこいいデザイン」にこだわって作ったウェブサイトは、きまって仕事の依頼が来ません。
なぜ?理由は判明しています。
「おしゃれでかっこいい」画面を作ることだけに集中する人は、「載せるべき情報」を無視するから
これは、まあまあキャリアのあるデザイナーですらそうなのです。おしゃれでカッコいい画面を作ることが自分の仕事だ、という思い込みを持っているデザイナーは、自分でまともなコンテンツを考えることができません。
なんなら、コンテンツとはおしゃれな画面を作るための添えものくらいに思ってます。そこで「短くて簡潔でかっこいいキャッチコピー」とか「おしゃれで印象的な画像」などを用意し始めたりします。
この結果、本来伝えなければならないこと、「載せるべき情報」は一切無視されるわけです。
伝えなければならないことを無視して作ったウェブサイトだから、思い通りの結果、つまり「仕事の依頼が来る」という結果が得られなくて当然です。
以上が「おしゃれでかっこいいデザインに拘って作ったウェブサイトは仕事の依頼が来ない」の仕組みです。
仕事の依頼がくるウェブサイトとは「絵を鑑賞するサイト」ではない
おしゃれで印象的な画面を作ることに心を注いでいるイラストレーターやデザイナーになぜそうするのかと聞くと、こう答えます。
「作品を印象的に見せることで、作品の魅力が伝わり、仕事の依頼が来るはずだから」
これも大きな間違いです。
どこが間違ってるかというと、「作品の魅力さえ伝われば、仕事の依頼が来る」って思ってるところ。
イラストのクオリティが高ければ、それだけで十分依頼が来るはずだ、と思っているイラストレーターが多いです。でも、実際には違います。
なぜそのイラストレーターに依頼が行くか?その理由が「イラストが素敵だから」、ただそれだけであることはまずありません。
では何が理由になるか?それは
「このイラストレーターは仕事を任せるに値する、信頼に足る仕事人であろう」と信じられること
さっきからちょいちょい登場する「載せるべき情報」とは、訪問者からの信頼を獲得するために必要なものです。それ抜きでは仕事の依頼は来ないのです。
作品を素敵に見せることだけ考えて作ったウェブサイトは、訪問者は作品を鑑賞して「すごいねー」と思うでしょう。そして、それだけです。それ以上のことは起こりません。
だから観賞用サイトを作ってはダメなんです。仕事の依頼が来て欲しいならば、「載せるべき情報」が揃っていて、訪問者から見て「このイラストレーターは実績があるプロだなあ」と信じてもらえるウェブサイトを作る必要があります。
イラストレーターやデザイナーはこの問題に気づけない
多くのイラストレーターやデザイナーは、自分ではこのことに気づけません。なぜかというと、同業者の友達に見てもらうことしか考えていないからです。
- 誰かクリエイターが「私のポートフォリオサイトが完成しました!」とツイートします。
- すると同業者の友達が群がってきて、それがおしゃれであればあるほど多くの「いいね」がつきます。
- 「可愛い!」「素敵なデザインだね!」というコメントがいっぱいつきます。
これを見たあなたは、「やっぱりおしゃれでカッコいいウェブサイトを作るといいんだぁ…」と思うでしょう。
そしてあなたも「おしゃれでかっこいい観賞用サイト」を作るでしょう。そして数ヶ月後、「あれ?なんで仕事の依頼来ないの?」って思うのでしょう。
気づかなければ、どうしようもないんですね。
私はそういう、いっぱい「いいね」やコメントがついたクリエイターのウェブサイトをたまに見にいきますが、その内容を見ると「あーこれでは仕事の依頼は来ないな」と思うものばかりです。
でも、さいわいなことに、あなたはこの記事を読んでくれました。あなたには気づいてもらえたでしょうか?
おしゃれで自己満足な観賞用サイトなんかじゃなく、仕事という実りを生み出せるウェブサイトのほうがいい、そう思っていただけたでしょうか?
もしそう思っていただけたなら、ぜひ「いしつく!の教科書」を読んでみてください。
いしつく!の教科書
「仕事の依頼が来るポートフォリオサイトって、どうやって作ったらいいの?」
そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »