「ポートフォリオサイトから仕事依頼問い合わせが来る」って無理なのでは? 本当に可能なの?

ポートフォリオサイトから仕事依頼の問い合わせがくる。
イラストの仕事はだいたいそれでゲットしている。
そうやってくる仕事は全部、企業からの依頼。
実地の営業ってほとんどしてない。

イラストレーターがそういう状況になれたら嬉しいはず。でも、そんなの本当に可能なの? 一部の特別な人だけが可能なことなのでは? って思ってます?

そんなことないですよ。努力さえできるなら誰にでも可能です。ただし、正しい努力の方向性を知らなくてはいけませんけど。

「ポートフォリオサイトなんか作っても仕事依頼なんか来ない」というイラストレーター

こういうこと言ってるイラストレーターが多いです。

  • 「私はイラストポートフォリオサイトを自作したけど、仕事依頼なんて来たことがない」
  • 「たまに問い合わせフォームから送信があるけど、知ってる人とか一般の人からの感想コメントばっかり」
  • だからポートフォリオサイトを作って仕事依頼が来るとか、嘘だと思う

ほとんどのイラストレーターがそうじゃないかな。「だからポートフォリオサイトなんて作らなくていい、作っても無駄」って思っている人もいます。

「ポートフォリオサイトから仕事依頼、来てますよ」というイラストレーター

ところが、こう言っているイラストレーターもいます。

  • 「ポートフォリオサイトから仕事依頼の問い合わせがくる」
  • 「実地の営業はほとんどしていないけど、企業からの依頼がくる」

私もこっちです。むしろ今イラスト制作よりもウェブ関連の仕事に軸足を移しているのに、それでもイラストの仕事がきます。私のイラストポートフォリオサイトが勝手に仕事を取ってくるんです。

「ポートフォリオサイトから仕事依頼が来る」と言っているイラストレーターは何が違うのか?

「ポートフォリオサイトから仕事依頼が来てます」と言っているイラストレーターが必ず思っていることは、「ウェブサイトは仕事依頼を連れてくることができる装置であり、とっても大切なものだ」ということです。

「ポートフォリオサイトから仕事依頼なんかこない」というイラストレーターは、ポートフォリオサイトの作り方、というか考え方が間違ってることが多いです。

イラストそのものがあまりにショボいから仕事が来ないという人も中にはいるでしょうけど、少数です。

間違った考え方

ポートフォリオサイトについてイラストレーターがしがちな間違った考え方には、こんなものがあります。

  • 「作ってもどうせ仕事依頼なんか来ない」
  • 「とりあえず先輩のポートフォリオサイトをみて、真似すればいい」
  • 「ポートフォリオサイト自体を作品として、グラフィカルに作るべき」

そういう考えのままポートフォリオサイトを作っても、「仕事の依頼が来ない」「問い合わせが来ない」という結果が待ってます。

「問い合わせがくる」ノウハウは存在する

「ウェブサイトを構えて、そこに問い合わせや申し込みが来る」というノウハウはすでに世の中に存在します

というか、ウェブ業界の一部では常識ですらあります。そのノウハウで飯食ってる人もいるし、そのおかげで潤っている企業だってなんぼでもあります。

だから「ウェブサイトなんて作っても仕事依頼や問い合わせなんか来るわけない」と考えるのは間違っています。

「問い合わせが来るウェブサイト」のノウハウを使おうとしていないだけ

多くのイラストレーターが「ポートフォリオサイトから仕事依頼なんか来ない」と言っているのは、「ウェブサイトに依頼や問い合わせが来るノウハウ」を利用できていないからです。

なぜか? 理由は様々です。知らない・知ろうとしない・知るのが難しい。知っても利用のしかたがわからない。

「ウェブサイトに依頼や問い合わせが来るノウハウ」はウェブ業界の一部では常識である、と書きました。でも、「一部」ってところがポイントで、ウェブデザイナーやエンジニアを名乗る人たちでさえ、そのノウハウを全く知らない人もいます。

デザインや技術とはまた別の話だから、知ろうとしない人には一生知る機会がないんですよね。

「仕事依頼がくる」のと「SNSでバズる」の別の事象

「イラストレーターになりたいからとりあえずSNSで絵を流す」というイラストレーター、最近多いです。でも、その延長線上に「仕事依頼がくる」という事象はありません。

「SNSをがんばっていれば、いつかそのうち企業からお仕事の依頼がくるはず」は大きな間違いです。

SNSでバズっても、企業からの仕事依頼はきません。なぜなら、バズった人 = 信頼するに値するプロイラストレーター、とは限らないからです。むしろ逆のことのほうが多い。

では企業から仕事依頼をゲットしたいならSNSをどう使えばいいか? ポートフォリオサイトをビジネス向けにきちんと作って、SNSのプロフィールに載せておくことです。結局ポートフォリオサイトが必要ってこと。

「仕事依頼がくる」のと「ブログで稼ぐ」は別の事象

ポートフォリオサイトはブログと併設するのがおすすめ。でもこの話をしていると「ブログで稼ぐってやつですよね」って言ってくる人が多いです。違います。切り離して考えてください。

イラストレーターのポートフォリオサイトに必要なのは、いわゆるビジネスブログです。お客様に向けて仕事のノウハウを書いて信頼性とSEO力を上げるために使います。

イラストレーターの場合、お客様 = 制作会社の中の人や編集者やディレクター等、です。同業者向けに「イラストを上達する方法」とか書いてる人が多いですけど、それは仕事ゲットという観点でいうとほとんど役に立ちません。

「ブログで稼ぐ」がやりたい人はイラストとは別に他の稼ぎやすいと言われるジャンルでやるほうが絶対おすすめです。

リアル世界での活動も合わせるのが効果的

ポートフォリオサイトだけで仕事依頼が来るようにすることもできますが、多くのイラストレーターは、ポートフォリオサイトをきちんと作るのと同時に、リアル世界での活動も並行していくと効果が上がりやすいはずです。

両輪、というやつですね。

リアル世界でいろんなところに顔を出していって名刺交換したり、クリエイターEXPOのような商談会へ出展したり、電話や実地の営業をしてみたり。

そうやっていろんな場面で人と出会っていくと、あなたに興味を抱いてくれる人が現れます。その人はあなたの名刺を見てウェブサイトを開いてくれるかもしれません。

そのとき「イラストだけ貼り付けたおしゃれクールなお遊びっぽいサイト」か、「ビジネス向けの機能を持ちきちんと育てたポートフォリオサイト」、どちらを見せたほうが仕事の依頼につながりやすいでしょう?

答えは言うまでもないですね。

ラストレーターがやるべき「正しい努力」とは

ポートフォリオサイトはきちんと作ってきちんと育てていけば、確実に仕事依頼を連れてきます。ですが、間違った作り方・間違った育て方をしても努力は水の泡です。

もしイラストポートフォリオサイトから仕事依頼が来るようにしたければ、基本的な考え方は次のとおりです。

  • 「イラスト展示ギャラリー」を作ってはいけない。必要なのは「絵を鑑賞して楽しんでいただく」場所ではない。
  • 「ここではイラスト制作をビジネスとして承っています」という態度を明らかにする。
  • お客様は「パッと見て、気に入ったから」という理由で依頼に至ることはない。むしろ慎重に慎重を重ねて検討したい。
  • 信頼性を理解してもらうことが何よりも大切。
  • 同業者向けコンテンツをやらない。

以上の考えに基づいてポートフォリオサイトを作り、育てていくと、仕事依頼や問い合わせが来るようになります。

では具体的にどうすればいい? という話に入るととてつもなく長くなるので、ぜひいしつく! の他の記事も読んでみてください。いしつく! は、堂々と企業と仕事で渡り合える「ちゃんとした」イラストレーターが増えてくれることを願って活動してます。そんなあなたの助けになれれば幸いです。

いしつく!の教科書

「ポートフォリオサイトで仕事依頼が来るって、ほんとにそんなこと可能なの?」

そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。

目次 & 概要

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