イラストレーターが仕事依頼を増やしたければ、ブログをやるべき。
ただ、イラストレーターがやるべきなのは日記ブログでも収益化ブログでもなく、見込客の信頼を上げる「ビジネスブログ」です。お間違えなきよう。
おそらく、これを読んでくれているイラストレーターさんは、なぜブログが必要なのか調べていると思います。すでにいろんなブロガーの記事を読んだでしょうか。
いろんなブロガーがいろんな「ブログのやり方」を発表しているので、混乱している人が多いんです。そんなイラストレーターさんに読んでほしい記事です。
Rawpixel.com – jp.freepik.com によって作成された people 写真
ブログにはいろんなタイプの目的・役割がある
いしつく!では、イラストレーターが仕事依頼を増やしたければ、ポートフォリオサイトにブログを合わせた併設型サイトを作れ、とアドバイスしています。
世間でブログっていうと、いろんな目的のものがあります。
- 個人日記…日常のことなどをつらつら書く
- 趣味ブログ…ある趣味について活動やノウハウを書く
- 収益化するブログ…アフィリエイト広告などを入れて広告収入を狙う
- 技術ブログ…ITエンジニアが技術的な情報を書く
- ビジネスブログ…見込客に向けて情報提供する
- 広報ブログ…商品やサービスの紹介のため
「ブログ」って単なるウェブサイトのいち形態を指す言葉なので、その目的や用途は様々、ってこと。だからいろんなブロガーがバラバラなことを言っているように見えるのです。
イラストレーターがやるべきブログは「ビジネスブログ」
仕事の依頼を増やしたい! と願っていますか?
ならばイラストレーターがやるべきは「ビジネスブログ」です。
個人日記や趣味ブログをやっても、仕事を増やす効果はありません。ついでに収益化できればいいかな……と思っている人もいるかもしれませんが、それも、うまくいかないことがほとんどです(理由は後述)。
では「ビジネスブログ」ってなんのことかというと、見込客に情報提供をするブログです。
イラストレーターブログの役割 = お客様にビジネスの詳しい情報を提供する
「お客様(見込客)に情報提供をする」とはどういうことか。
イラスト制作では、お客様(見込客)の多くは出版などの制作現場の中の人です。
その方たちみんながみんな、イラストについて全てを理解しているわけではありません。だからこそイラストレーターという専門職が存在し、イラスト制作が外注されるのですよね。
ならば、依頼主があまり知らないけれど、実は知っておくと役に立つこととか、あらかじめ知っておいてもらえれば仕事がスムースに進むチップスなどがあるはずです。
例えば、依頼する際に必要なこととか、なぜ写真よりイラストの方がいいのか? などなど。
ビジネスの詳しい情報を提供する、というのはそういうことです。
信頼を上げ、依頼のハードルを下げる
「お客様(見込客)への情報提供」がうまくハマれば、仕事依頼を増やす効果があります。
あなたのイラストビジネスブログがお客様(見込客)にとってとても役立つ内容だった場合、こんなふうに思ってもらえる可能性があります。
- イラスト制作についてよくわからなかったこと、疑問が解消した。
- それを知ることができてよかった。ありがたい。
- このような知識があるのだから、きっとしっかりしたイラストレーターだろう。
そう思ってくれたお客様(見込客)は、もっとポートフォリオサイトをじっくり見て回ったり、依頼を検討する可能性も高まります。なによりあなたのことが印象に残るでしょう。
制作会社の方にとって、個人クリエイターに依頼をするのはある程度ハードルの高い行為です。なぜなら昨今、SNSだけで活動している「自称イラストレーター」が多いので、「そのイラストレーターは本当にちゃんとした事業者なのか」をチェックしなければならないからです。
正しくビジネスブログをやっていれば、そのハードルを下げることもできるのです。
もうひとつのイラストブログの役割 : 被検索力を上げる
もうひとつ、ブログには大切な役割があります。「検索され力」を上げること。
イラストレーターのウェブサイトは画像だらけになりがちです。しかし、ウェブ検索は言葉によって行われます。なので、画像だらけで言葉が少ないサイトは、ウェブ検索の結果に表示される機会も少ないのです。
そこでブログ。文章を増やすことは、検索結果に表示される機会も増えるということです。
ただ、やみくもに言葉をつめこんでも意味がありません。イラストレーターのウェブサイトは仕事依頼を増やすのが目的なのですから、お客様(見込客)に来てもらわなくてはお話になりません。
そこで出てくるのがSEO(検索エンジン対策)です。
お客様(見込客)がどんな検索ワードを使ってうちのサイトへたどり着くだろうか? と想像することができればSEOの7割は成功です。
SEOって聞くとアレルギー出るイラストレーター多いけど、じつはめちゃくちゃクリエティブな作業なんですよね。
それらに成功すれば、お客様(見込客)があなたのポートフォリオサイトを訪れる機会が増え、依頼が増える可能性も高まる、というわけです。
以上が、イラストレーターブログが持つべき役割です。
イラストレーターのブログで収益化が難しい理由
話は変わりますが、ブログって聞くと反射的に「収益化!」「ブログ飯!ブログで稼ぐ!」って思う人が多いと思います。
でもイラストレーターは、ブログで稼ぐのはかなり難しいです。
理由は、ひとことでいうと「イラストはお金の動く市場ではないから」。
イラストレーターは「イラストレーターになるには」とか「私の絵が上達した方法」のような記事を好んで書きます。
しかしながら、その内容にマッチする広告というのは、世の中にごくわずかです。せいぜいお絵描きソフトか、イラスト講座くらい。
それらは生活に必須な商品でもない。利用者も少ない。だから、イラスト関連のことを書いても入ってくる広告料が少ない、つまり儲からないのです。
もし「ブログで広告収入!」がやりたいのだったら、一般的に儲かると言われているジャンル = ネット回線、保険、転職など、でやるほうが圧倒的におすすめです。
なぜなら、作業量が同じでも、儲かりやすいジャンルのほうがリターンが大きいから。
とにかく、収益目的のブログをやるならば、イラスト依頼を増やすためのビジネスブログとは全く切り離して考えてください。
ブログに、日記や「イラストの描き方」「イラストレーターのなり方」を書くな
ビジネスブログに、同業者を喜ばせる内容を書くのは意味がありません。なぜなら、お客様(見込客)に読んでもらってこそ仕事依頼が増えるからです。
「ビジネスのノウハウを書け」というアドバイスを曲解して、仕事=イラストのノウハウを書けばいいんだ! と勘違いしているイラストレーターがとても多いです。
「イラストの上達方法」や「私のお仕事募集・体験談」を書いても、読みに来るのは同業者だけです。同業者に「それを知ることができてよかった。ありがたい」って思ってもらったところで、仕事にはなんのメリットもありません。
書くな、とは言いすぎかもしれませんが、仕事の依頼が安定してくるようになってから余暇にでもやってください。
ブログを書き慣れていないと、思いつくままに書けばいいのかな? と考えてしまいがちです。日記を書いている人って、まさにそうだと思います。何のために、誰のために書くべきか、考え直してみてほしいです。
「何を書くか」についてもう少し知りたい方はこちらの記事もおすすめ。
ビジネスブログは無理して毎日更新する必要はありませんので、1記事にある程度のボリュームをもたせて、じっくりめに書きましょう。
何を書いたらいいかわからなくなったときは、このnoteがおすすめです。具体的な記事タイトル例も載っています。
イラストレーターさんのための、仕事につながるブログの書き方|いしつく! / イラストサイトのつくりかた|note
いしつく!の教科書
「仕事の依頼が来るポートフォリオサイトって、どうやって作ったらいいの?」
そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。
目次 & 概要
-
まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »