イラストポートフォリオPDFダウンロードの正しい作り方: リンク貼るだけはダメ

最近、イラストレーターのポートフォリオサイトで、PDF形式のポートフォリオをダウンロードできるようにしている人いますね。

これ自体は「いしつく!の教科書」でもオススメしていて、いいことではあるんだけど、やり方間違えてる人が多いです。

ただ単にダウンロードリンクを貼っている人、誰でも自由にダウンロードできるようにしている人。そのやり方はダメです。すぐに修正してください。

なぜそれがダメなのか、じゃあ正しいやり方はどうなのか、説明します。WordPressプラグインがあるのでそれがおすすめです。

なぜ「PDFにリンクを貼るだけ」フリーダウンロードはダメなのか?

その理由は主にみっつ。

  • PDFファイルはGoogle検索に載る。ということは、公開したくない情報は載せられない。
  • 誰でも自由にダウンロードできるようにした場合、ダウンロードしていく人の大半が学生や同業者の冷やかしである。
  • そもそも、ダウンロードを設置する目的が理解できていない。

というわけで、せっかくPDF形式のファイルを用意しても、フリーダウンロード形式ではわざわざやる意味がないよね、ということです。

PDFダウンロード、みんながやっているからやってみよ、というのはいいけど、その意味や本質を理解しないで表面だけマネしても意味ないよ、ってこと。

それぞれ詳しく説明します。

PDFファイルは、Google検索に載る

公開の場に置かれたPDFファイルを、Googleボットは収集します。PDFファイルの中身も検索結果に現れるってことです。

「私はリンクを貼っているだけであって公開しているわけではない」って思ってる人もいそうだけど、Googleボットはきちんとリンク先までたどるので、公開されたウェブページからリンクを貼っているということは、一般公開しているのと同じです。

ちなみに、PDFファイルをzip等で圧縮したものをアップロードしておくと中身までが直接検索結果に現れることはないけど、存在は把握されます

公開していい情報なら、ウェブサイトに載せておけばいい

ポートフォリオPDFを単純な直リンクで配布するということは、そこに載せた画像は誰でも取り放題で、本名や住所や取引先名などを載せていれば、それも検索結果に公開されっぱなしになるということです。それを望まないのなら、PDFファイルには秘密の情報は載せてはいけません。

しかし一般公開してもいい情報なら、ウェブサイトに直接載せておけば済むよね? わざわざPDFファイルダウンロードという手間を訪問者にとらせる意味がない。

PDFファイルを単純リンクで配布すると、そういう矛盾が生まれます。

同業者が自由にパクっていくことを望みますか?

ポートフォリオPDFを自由にダウンロードできる形式にしておくと、それをダウンロードしていく人の大半は、同業者や学生です (なぜそれがわかったのか、はまたの機会に)。

参考のためというか、はっきりいうとマネするために見にくるんです。

同業者とは「同業他社」です。つまり適切に競争すべき相手です。

自分が真剣にやっている商売の情報を、同業者が自由にマネすることを、あなたは本当に望んでいますか? フリーダウンロード形式は、「どうぞみなさんおパクりください」って言っているのと同じです。

イラストレーターさんは同業者 = お仲間・お友達って意識の人多いですけど、馴れ合いはイラストレーター全体の地位を下げますよ。

「ポートフォリオダウンロード」が本来持つべき目的

そもそも「PDFダウンロード」ってなんなの?

本来の狙いは、ウェブサイトを単に閲覧してもらうだけではすぐに忘れられてしまうので、できれば訪問者と何か接点を持ちたいというものです。

単にファイルをダウンロードされては「接点」になりませんから、ダウンロードしてもらう前に、最低でもメールアドレスとお名前くらいを入力してもらいます。

あなたのポートフォリオサイトを訪れてくれたのが、もし制作会社や出版社の中の人だった場合、あなたを発注先として興味を持ってくれている可能性もあります。

ただし制作会社は1回見ただけで即発注に至ることはないですから、そこで「よかったら今後のために、もっと詳しく検討してくださいね」という意味で、ポートフォリオをダウンロードしてもらうわけです。

要するに、オンライン上の名刺交換のかわり。これが本来の「PDFポートフォリオダウンロード」の意味です。

あとは、忘れられないように、なおかつうっとおしがられない程度にお伺いを立てたり連絡を取ったりして、定期的なお仕事の関係を目指します。

以上、同業者にダウンロードさせてはいけない意味がわかってもらえたでしょうか。ちなみに元ネタは、ウェブマーケティングで企業間取引のビジネスに頻繁に使われる手法です。

「ポートフォリオダウンロード」の正しい作り方 : WordPressプラグイン

WordPressプラグインの場合

WordPressでポートフォリオサイトを作っている人は、私がそのためのプラグインを開発しておいたのでよかったら使ってみてください。

メールアドレスを入力するとそのメールにダウンロードURLが送られるしくみです。フォームの内容を工夫すると同業者の排除もできます。今後は捨てアド排除機能なども搭載予定です。

「悪用を防ぐために軽量化したPDFを配布/ちゃんとしたバージョンはフォームに入力してもらってメールで送る」といった二重構造もこれがあれば必要ないですね

具体的な使い方はまた別項でお伝えする予定です。

Adobe Portfolioやジンドゥーの場合

それ以外のツール、Adobe Portfolioやジンドゥーを使っている人。残念ながらそうした機能は提供されていません。非公開ページ等を工夫して「それっぽい」ものは作れますが、あまり使い勝手がいいとは言えません。

「PDFダウンロード」をやるならポートフォリオの中身も要注意

PDFダウンロードの本来の目的は、こうだと書きました。

  • もっと詳しく検討してもらう
  • オンライン上の名刺交換のかわり

個人イラストレーターが企業からの依頼をゲットするには「検討してもらう」、これが非常に大事です。

検討に耐えうるポートフォリオが必要

企業が個人のフリーランスイラストレーターに仕事を頼むのにはある程度高いハードルがあります。「本当に信用して大丈夫なのか。ただの自称絵師ではないのか。きちんと確認しなければ」。

なおかつ制作の方法や値段、実績を詳しく知ることができてはじめて、企業は個人イラストレーターに発注をします。

何が言いたいかというと、そもそも配布するPDFの中身は大丈夫? ということです。

「もっと詳しく検討してください」といって渡すポートフォリオの中身が「ただの画集」や「絵を眺めて楽しむ冊子」では何の意味もない。

企業の検討に耐えうるポートフォリオを作ろうと思うと、あまり公開したくない情報が、逆に重要度を増してきます。住所や電話番号、メールアドレス、価格例、取引先の名前など。

フリーダウンロード形式にするとそういう情報が載せられない、という点でも損だということですね。

いしつく!の教科書

「ポートフォリオサイト、自作してみたけど、仕事依頼なんて一回も来たことない」

そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。

目次 & 概要

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