イラストレーターさん、ポートフォリオって作ってますか?流石にここを読んでいるような方なら、ポートフォリオくらい作ってるよね。
でもプラスアルファ、用意しておくといいものがある。それは小さいポートフォリオ!大判のポートフォリオをいつも持ち歩くのは大変だし、「ミニ」のほうがふさわしい場面だってある。今回はそんなお話です。
デカいポートフォリオは邪魔になることも
いつだったか某出版社の編集者さんと呑んでいたときのこと、こんなことをおっしゃっていました。
こういうラフな場で、たまたまイラストレーターの人と同席することがある。その場で『仕事ください!』とか言われるのは別に構わないんだけど、『じゃあどんな絵描いているの?』と聞くと、たいてい何も資料を用意していないか、逆にデカいポートフォリオを出してくるか、どっちかなんだよな。
つっても、この場でデカいポートフォリオなんか受け取らねーけどな。だって飲んでるし!
なるほど。そりゃそうだ。
飲んでるのに荷物が増えるのはめんどうくさい!
私もお酒好きとして全くそう思います!
お仕事場に直接営業に行くときならともかく、それ以外の場で荷物になるものを渡すのはたしかにちょっと考えものだよね。他にも、交流会も飲んで帰ることが多いし、商談会なんかも訪問者はかなりたくさんの資料を受け取ってしまうので、これ以上重くなるのはやだ……って思うことも。
そこで、本式の営業資料とは別に、荷物になりにくいちいさなポートフォリオを用意しておいたらどう?そうすれば突然お仕事上の出会いがあったときにも対応できる。
スマートフォンの画像は忘れないしなくならない!でも注意も必要
そこで、まずはスマートフォン。画像データを入れて作品集を見られるようにしておく。持っていくのを忘れることがないし、足りなくなってしまうこともない!
MacでPDFファイルの画像集を作っておけば、iPhoneでiCloud DriveかiBooksで見られるし、もちろんWindows/Googleにも似たような機能があります。DropboxやAdobe CCでもいいね。
もっといいのは、自分のイラストサイトをスマートフォンで見られるようにしておく。これならわざわざ画像集を作る必要がない。電波さえつながればどこでも見られます。私もこうしてました。
見せっぱなしは良くない。
何かと便利なスマホだけど、ちょっと注意も必要です。それは、スマホを見せるだけだと、すぐに忘れられてしまうってこと。印象を残すという意味で、現実のモノを渡すのには、どう逆立ちしたって敵わないよね。
さらに、発注する側の意見として「簡易でもいいから印刷された状態のイラストを確認しておくべき」という需要もあります。イラストの多くが印刷物に載って世の中に出るのだから、そりゃそうだよなって話だよね。
というわけで、スマホで画像を見せた人には、後日改めてポートフォリオを送るとかのフォローを忘れずにやりましょう。
いしつく! のおススメは「蛇腹フォリオ」!
さて。ミニポートフォリオを用意するなら、どんな体裁がいいか?
イラストレーターさんによってさまざまだけど、ポストカード、縦長の三つ折りパンフレットあたりが、今まで見た中では多いかな。あとは、ハンディ絵本みたいなのを渡してきた人もいるけど、それはさすがにお金かけすぎじゃない?
できたらコストは抑えたほうがいい。っていうのも、仕事をくれる相手って大体会社員でしょ。「プロモーションツールに無駄なお金をかけすぎない、経済観念のしっかりしたイラストレーター」って見られるほうがぜったい何かと得だからさ、凝りたいのはわかるけど。
というわけで、
- めっちゃ安くできて
- 情報量もまあまあ確保でき
- 持っていくのも忘れにくく
- お相手の荷物にもならない
という便利なやつを、いしつく!ではオススメしております。
それが、蛇腹折り名刺型・プチポートフォリオ!
ちぢめて、命名:蛇腹フォリオ。
これは、縦に長い紙に名刺何枚ぶんかのレイアウトを割り付けて、決まったところで折り曲げて名刺サイズにたたむ、というもの。口で説明するの難しいから、図を見て。
これ、名刺入れにしまっておけるんです。常に名刺入れに何部か入れておくようにすれば持ち忘れることもないし、荷物にならないからパーティ的な場面でも気兼ねせずに渡せます。
それと大事なポイントは、これはある程度の情報量を載せられるってこと。ポストカードだとここが足りないね。仕事を引き寄せたければ「私の渾身の一作を印刷したカード」ではなく、情報を差し上げることが必要だよ。
そして何が嬉しいかって、印刷が安く済むってこと!
チラシ用の薄いコート紙で十分だから、両面カラーで300部作っても大体3〜4,000円とかです(そんなにたくさんの部数が必要かどうかは別として)。折り加工は印刷所に頼むと値段がちょっとかさむから、自分で手持ち無沙汰の時に折り折りしてもいいしね。
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欠点は、印刷データを作るのがちょっとめんどくさいところ!折りの関係上、逆さまに割付する必要がある箇所があります。まぁイラレの勉強だと思ってチャレンジしてみてもいいんじゃない?
二つ折り名刺はあんまりオススメしません
だったら、二つ折りの名刺もあるじゃない。あれでいいんじゃね?名刺+プチ資料の一体型って発想で!って思う人もいるかもしれないけど、イラストレーターさんに限っていうと、イマイチだな〜と思います。二つ折りくらいじゃそれほどイラストも載せられないから。
名刺は名刺、資料は資料って分けるべし、がうちの方針です。蛇腹フォリオはあくまで「資料」として使います。名刺には名刺の役割ってものがあるからさ。
名刺が資料と一体化されていると、名刺交換のたび誰にも彼にも資料を渡すことになっちゃう。イラストレーターさんって基本的にお客様になるべき相手は限られているはずだけど、お客様になりえない相手と名刺交換する場面だっていっぱいあるわけで、そんな相手にも資料をばらまくのは、私なら嫌だな。もったいない。
別々てなると、名刺は折の入っていない普通のもの、ってとこに結局落ち着くのよね。はじめに名刺交換をして、そして会話をして「どんなイラストを?」って聞かれたら、蛇腹フォリオも出す。これくらいの使い方が妥当かなって思います。
まとめ
この記事でお伝えしたかったことは、次のとおりです。
- いつでもどこでも本式ポートフォリオを渡すのは、考えもの。かさばるので嫌がられる場面もある。「ミニ版」も用意しておこう。
- イラストサイトはスマホ対応を。自分でできなければ、いしつく!で契約を
- 「見せるだけ」ではなく、アフターフォローを忘れずに。
- 名刺型「蛇腹フォリオ」がおススメ!名刺とセットで持ち歩こう。
それではごきげんよう!
いしつく!の教科書
「仕事の依頼が来るポートフォリオサイトって、どうやって作ったらいいの?」
そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »