イラストレーターさん、自分の営業用サイトを持ってほしい。脱クラウドソーシング&企業と直接取引を

企業から直接仕事を請けられるようになりたいならば、イラストサイトを仕事用に作り変えて、ビジネスに耐えうるように育てていってください。

イラストレーターさんの中には、クラウドソーシングサイトだけとか、仕事あっせんサービスに登録してみたりという活動だけをしている人も多いようです。

どこかに頼って仕事を「もらう」活動だけじゃなくて、企業と直接取引できるようになりたい。そう思っているイラストレーターさんには、まずは自分のための営業用イラストサイトを持ってほしいのです。

呼び方はなんでもいいと思うんです。営業用サイトでも、ポートフォリオサイトでも、イラストサイトでも。肝要なのは目的を間違えないことです。

イラスト価格の下落。一概に「ネットのせい」とも言えないと思います

歩くビジネスマン

ひと昔前のイラストレーターさんって、印刷したポートフォリオを持って足で営業したと先輩は言っていました。ネットのない時代、これがふつうでした。

イラストレーターの制作価格が下落している、といいます。でも私はそれを単純に「ネットのせい」っていうのは違うんじゃないかって思っています。

企業との直接取引を避けるイラストレーターさんが増えていると感じます。クラウドソーシングサイトで素人同然の人と争ったり、登録先からの下請けで中抜きされた仕事ばかりならば、そりゃ安くもなりますやんね。

ほんとはそんな状況を脱したい、と思っているイラストレーターさんには、ぜひ、SNSで呟くばかりでなく、仕事向けにちゃんとしたウェブサイトを持ってほしい

結構切実にそう思ってます。そういう人が増えることは、自分も他のイラストレーターさんにとっても良いこと、みんなの地位を上げることだと信じているからです。

企業は今でも「ちゃんとしたフリーランス」「ちゃんとしたイラストレーター」を求めています。ただ、素人同然ならいくらでも見つかるけど、「ちゃんとした」人はとても見つけづらい。依頼側の人からはそんなお声を最近とみに聞くようになりました。

ウェブサイトをちゃんと作り、ちゃんと育てれば、ちゃんと仕事は来る

企業・東京

私はイラストレーターとして独立して十数年、東京の有名出版社や、日本で知らない人のいない有名企業と直接取引する機会におかげさまで恵まれました。

この話をすると、斜に構えた人が「どうせお前は何か特別なコネがあってそうなれたんだろ?」と敵視を向けてくるんですが、違います。

独立したときコネも人脈もなく、同業者の友人さえ一人もおらず(馴れ合いが苦手なので)、本当に「ぼっち」なイラストレーターでした。

そんな人間がどうやってビッグネームの仕事をゲットしたのかというと、ウェブサイトを開設して育てた結果です。もちろん他の営業的活動もやってきましたが、大半の仕事はウェブサイトからのお問い合わせです。

どういうふうにウェブサイトを作ってきたのかは他の記事でお読みいただくとして、ウェブサイトをちゃんと作り、ちゃんと育てれば、そういうことも無理じゃないということが言いたいのです。

「ウェブサイトからイラストのお仕事の問い合わせがくるなんて嘘でしょ」
「イラストサイトってただ単に絵を鑑賞してもらうための場所でしょ」
って思っているイラストレーターさん、その考えは改めてほしい。実際にウェブサイトを仕事に役立ててきた人間がここにいますので。

ただし、他のイラストレーターを参考にすると失敗する

イラストレーターのウェブサイト 良くない典型例
あまり真似しないでほしいイラストサイトの例。

ただ、イラストサイトを「ふつうに」作っただけではおそらく難しいです。

ほとんどのイラストレーターさんが「イラストサイトをせっかく作ったけど、仕事には結びついてない」と言っているのもまた事実です。

例えば私が今までお会いしたイラストレーターさんのうち、9割が自作イラストサイトを持っていました。でも、そのうちの9割の方が、イラストサイトから仕事の問い合わせなんかほとんど来たことがない、と言っていました。

イラストレーター : 自サイトから仕事の問い合わせが来るか

この数字があらかた合っているとすると、イラストレーターさん全体の8割くらいは「仕事が来ない自作ウェブサイト」を持っている、と言えます。

だから同業者のウェブサイトを参考にすると失敗します。やはり仕事が来ないウェブサイトができあがる可能性が非常に高い

実際に見ても、イラストレーターさん自作の無料サイトやSNSアカウントには、他の方には参考にしないでほしいポイントが山盛りです。
オシャレにこだわりすぎたり、自分の世界観にこだわりすぎたり、同業者や個人向けに一生懸命発信したりすることです。

かく言う私も、いつぞやはそういう要素をたくさん持っていましたが、それらを排除することで成長してきました。

イラストレーターさんの自作ポートフォリオサイトへ、12のダメ出し。仕事ゲットしたいなら要改善 – いしつく!ブログ

地方在住だからこそ、営業用ウェブサイトを持とう

自分の営業用サイトを持つ必要性

「地方在住のフリーランサーはクラウドソーシングに頼らないと仕事が来ない」
なんてあたかも既定の事実みたいに言われると、かなり違和感があります。私は独立してからずっと地方在住ですが、前述のような企業の仕事をゲットしてきました。

ちなみに、地方在住であることを公表すると仕事が来ない、という噂があるそうですが、それは嘘ですよ。
ちゃんと東京の出版社からも依頼は来るし、むしろ居場所を明かさないフリーランスのクリエイターなんて、企業からすれば怖くて頼めません。

推測ですが、地方在住だから相手にされなかったのではないと思います。たぶんネット上でのプロフィールの書き方や情報発信の仕方が間違っていて、プロの取引先とみなされていなかったのでしょう。

そういう人は結構いそうな気がします。仕事のクオリティは問題ないのに、プロや企業からはなかなか相手にされないイラストレーターさん

せっかくの力を活かすためには其れ相応の伝え方というものがあります。地方在住で東京での営業のチャンスがなかなか持てないイラストレーターさんならなおさらそれは必要です。

まとめ : ギャラリーではなく、検討資料を。

イラストレーターさん、ぜひ営業用ウェブサイトを持ってください。しかも、絵を鑑賞して楽しんでもらうためのギャラリーでなく、あなたをイラスト制作業者として検討していただくためのものを。

ただ、「イラストサイトから仕事の問い合わせが来るようになるには、どうしたらいいか」をひとりで試行錯誤するのは結構大変です。同業者はほとんど参考にならないのですから。

理想的な作り方はすでにわかっていて、私はそれを持っています。独自ドメインで自前サーバというのは当たり前ですが、それ以外にもプロフィールの書き方、ブログの書き方、制作例の見せ方、ポートフォリオの作り方、など、こうしたら仕事に結びつきやすいというコツはいくつも判明しています。

ではどうしたらいいの?どういうウェブサイトを作ったらいいの?
と言われても、さすがにとてもひとことではお伝えできませんので、そこで「いしつく!の教科書」を書きました。

ただし作って作りっぱなしでは仕事はきません。他の努力も必要です。
それでも営業用サイトがあれば、それはあなたのコアとなって、いろんな場面で活躍してくれます。

いしつく!の教科書

「ポートフォリオサイトで仕事依頼が来るって、ほんとにそんなこと可能なの?」

そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。

目次 & 概要

よかったら、こちらの記事も読んでみて。