イラストレーターになりたい、と思っている人へ。
はっきり言って、絵が上手なだけでは、イラストレーターになれない。
イラストレーターになるとは自分で商売をやっていくこととだいたい同じだから、行動力や精神力、地頭力がどうしても必要なんだよ。
たぶんこんな人はイラストレーターになれないし、仮にイラストレーターを名乗ることができたとしても、長くやっていくことは難しい。
1. 絵を描くことにしか興味がない人
「人と交流するのが嫌いだから、独りでイラストばっかり描いていたい」という動機でイラストレーターになりたい人は、まずうまくいかないでしょう。
「絵をたくさん描いて発表していれさえすれば、そのうち誰かの目にとまり『デビュー』できるはず」と考えている人も、まあ難しいでしょう。
イラストレーターとは、お客様の要望に合わせて必要な絵を描く職業のことです。自分で仕事を取ってきたり、お客様との折衝をしたり、資金のことや事業計画も自分で考えなければなりません。つまり、営業とコミュニケーションと経営、総合的な能力が必要ってことです。
それらをはじめから上手にできる必要はないけれど、おもしろそうと思って学ぶことができるか。学生なら、美術以外の勉強にも興味を持ってしっかりやれているか。仲間との交流がそつなくこなせているか。
とにかくイラストだけ描いていたい人は、趣味にとどめておいたほうが間違いなく幸せです。
2. 働いた経験がない人
イラストレーターとは職業の名前です。お客様、取引先無くしては成り立ちません。一度も働いた経験のない人が、お客様とうまく交渉できるとは思えません。
学生さん、長い間専業主婦だった人。イラストレーターになりたい気持ちがいくら強くても、その先で挫折が目に見えているのでは、ちょっとつらいでしょ。
でもイラストレーターになるのが3年遅くなったって何の問題もないでしょ。だからまずはどこかで職を得て、お金をためてクレジットカードも作ってから、イラストレーターを目指したほうがいい。
3. 自分のやり方にこだわりすぎる人
イラストレーターをはじめクリエイターな人々がオリジナリティにこだわるのは当たり前のことではありますが、たまに、何にでもそれを発動してしまい、人のアドバイスに全く耳を貸さない人がいます。
イラストレーターを仕事としてやっていくための商売・ビジネスのやり方は、その時々に合わせて柔軟に知識を取り入れていく必要があります。本を読んだり、先輩に教えてもらったり、セミナーに出かけて学んでみたり。
そういうことが、自然とできるか。
できない人は、商売としてやるのは難しいでしょう。
作品についても、オリジナリティが求められる一方で、時にはお客様の要望に合わせて自分のやり方を少し変えなければならなかったり、仕事の幅を広げるために今まで描いたことのないモチーフやタッチに新しく取り組む必要があったりします。
俺は俺のやり方を絶対に曲げない!という頑固な人にはしんどい世界です。
4. なんでも他人のせいにしたい人
私がイラストレーターになれないのは、世の中が注目してくれないせい、不景気でモンスタークライアントが増えたせい、親が許してくれないせい、自分の境遇のせい。そんなことを考えつづけても、何も起きませんのでね。
イラストレーターという職業を選ぶのは自分自身だし、なったらなったで、事業をどう進めていくかはすべて自分の裁量です。資格も何もありません。
だからこそひとくちにイラストレーターと言っても、100人いれば100通りの選択があるわけで、誰しも自分のできそうなことを選んでやっているだけです。
いしつく!ブログとかいうところに書いてあったことを実践したけどイラストの仕事が増えない!どうしてくれるんだ!とか言っている人は、心底商売向いてないと思います。
5. 夢の叶え方を知ろうとしない人
イラストレーターになりたい、という夢を叶えるためには、何かの行動を重ねていくしかありません。ほんのちょっとの動きしかできないかもしれないけど、重ねて重ねて、その先に夢が叶う。逆にいうとそれしか方法はありません。
できない理由を口にすること、例えば「イラストレーターになりたいけど、私は美大出身じゃないからムリ」なんて発言を聞くと、意味がわからなくて仕方ありません。
そう思うなら、年齢がいくつであれ入試を受ければいいのに。今すぐが無理なら、学費のための貯金を始めればいいのに(ちなみに、美大へ行かなくてもイラストレーターになれますので、その貯金はぜひ他のためにお使いください)。
「なりたいけど、私には無理」が口癖の人は、この先どんな職業についてもチャレンジを避けるでしょう。言いたかないけど、そのままでは将来の地位もそれなりでしょう。そういう人が増えると日本をつまらなくします。
夢を叶える方法をテーマにした本は最低一冊は必ず読んでおいてください。うさんくさいと思うかもしれないけど、一度覚えれば何を始める時にも役に立つのでな。
まとめ
もしこれを読んで、どれかに自分が当てはまってしまうと思っても、焦る必要はない。欠点が見えたということは、そのぶん成長する余地が生まれたってことだから。考え方を変えたいなら本をたくさん読むといい。
いしつく!の教科書
「仕事の依頼が来るポートフォリオサイトって、どうやって作ったらいいの?」
そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »