個性!個性!個性!
人それぞれでいいじゃない!
そのとおり。だけどそこには罠がある。
いしつく!ブログでは、イラストレーターさんのビジネスが上手くいきますように、という視点でアドバイスを書いています。その具体的な現れとして、ポートフォリオの作り方やブログの書き方を取り上げているわけですけれども。
多くの人は参考になった、ありがとう!って言ってくださるんですが、中には、
「そんなの人それぞれだろ!」っていう批判コメントを書く人もいます。
それを見て、気づいたことがあったんです。あれ?これってもしかして、イラストレーターさんの弱点の現れなんじゃ……?って。
「人それぞれ」にこだわりすぎるとビジネスは学びにくい
おそらく自分を、個性を守りたいっていう防御反応なんですよね。それってある意味、イラストレーターとしての本能みたいなものかもしれません。
たとえば、描く絵のタッチをあるときガラリと変える人って、あまりいないですよね。水彩画の人はずっと水彩画だし、萌え系の人はずっと萌え系です。
自分のメソッドをしっかり守ることは、イラストにおいてはふつうなんです。その感覚が他にも及び、本来営業ツールであるはずのイラストサイトやポートフォリオであっても「自分の作品!」っていって守りたい。
そこへ「ビジネス目線を注入したらもっといいやつ作れるぞ」と言われても、作品を侵されているように思えて、強い抵抗を感じてしまうんでしょう。私もイラストレーターとしてわからんでもない。
だけど、仕事がうまくいくように願うのだったら、実はここはちょっと切り替えなきゃいけないトコなんです。
いしつく!ではよくこう言ってます。「イラストレーターさんは絵を描くばかりじゃなくて、ビジネスも学びなさい」。
ビジネスって「こうしたらうまくいくよ!」という答えを出しやすいんです。ビジネスってつまり損得をかけたコミュニケーションなので、人間の心理が強く関わってくる。心理には個性を超えた一定のパターンが存在します。しかも業界や国境を超えて普遍的に言えることもたくさんあります。
だからビジネス本ってやたらいっぱいあるんです。本屋さんに行くと、イラストの描き方の本なんかよりはるかに多く並んでます。
イラストは自分との戦いで、ビジネスは他人との駆け引き。
だから、イラストレーターさんの多くがビジネスが苦手なのは、ある意味当たり前かもしれない。
そう、だって、やることが逆なんだもんね。
大変かもしんないけど、両方の要素を自分の中に同時に持ってほしいなって思います。
でも朗報もあるよ。ビジネス・商売は、さっき本屋を例に出したように既存のメソッドを学ぶチャンスも多いし、真似して実際に行動に移すのもわりとやりやすいんですよ。その方が効率もいいし。
ただ逆にいうと「個性!」「人それぞれの、自分のやり方!」にこだわりすぎてると、学びにくくてどんどん苦手になっていっちゃうんだろうな〜って思います。
「それなり」でも大手と取引できる理由
ああ、商売苦手だよ?しょーがないじゃん。だからどうしたの?
って開き直りたくなっちゃった方、最後にこの話を聞いてください。
私は、イラストレーターなのにビジネス本大好きっ子です。珍しいと思う。
(子とか言うなや!オバハンやろ!あーあー聞こえなーい)
ぶっちゃけた話、絵のクオリティについてだけ言えば、私はイラストレーターとしては「それなり」だと思ってるんですよ。これを友人のイラストレーターさんに言ったら「え?めっちゃ有名な媒体とか雑誌でバリバリ描いてるやん?」って言われたんですが、うん、いやね、そこなのよ。
私みたいな「それなり」なイラストレーターでも、ビジネスに興味を持つことで、大企業とも取引できるようになれる、ってことが言いたいのよ。
んで、ビジネスの知識は、すでに世間にいっぱい出回っています。
あとはそれをもぎ取ってきて使うだけ!
そして私がイラストレーターとしてどんなのを選んでどう使ってたのか、それを噛み砕いてお伝えしているのがこのいしつく!ブログ、そういうつもりで書いてます。
いや、俺は俺のビジネスメソッドで行く。構わないでくれ!アバヨ!って言えるのなら、よござんす。いしつく!がお力になれることはなんもありません。どうかどうかご武運を!私はお祈りするだけでござんす。
でもね、なかなかそういうイラストレーターさんは少ない。
知らないで損していることがあるのにさえ気づかないで、このまま一人ぼっちで描き続けるしかないよね……って思い込んじゃってる人がいっぱいいる。
そんなの残念すぎる。
いろんなイラストレーターさんにお会いしてきました。
素人でもキャリアが浅くても、私より上手な人はいくらでもいます!イラストを描くのが心から好きで、描き続けることが苦にならない人って、本当にすごいなって思います。
そんなイラストレーターさんたちがイラスト以外の知識や目線もインストールしてくれたら、すごく素晴らしいことになるはずなのに〜って夢見てるんです。
私なんかでもここまで来れたんだから。