イラストレーターさんの多くが、ウェブサイトのプロフィールには似顔絵や、自作キャラクターのアイコンを載せます。
ダメとは言いませんが、できれば写真にしてほしいです。なぜならその方が信頼を得やすいからです。
信頼を得やすいということは、仕事を引き寄せやすいということです。
いしつく!セミナーやメンバーカウンセリングでも、イラストレーターさんに顔写真を出そう!ってお話しすると「恥ずかしい」「顔を知られるのは何となく怖い」というお声を頂戴することが多いです。でも、理由をお話しするとほとんどの方が納得してくれますよ。
実在を証明できるのは、写真だけ
なぜ、似顔絵やキャラクターアイコンでなく写真でなくてはならないかというと、写真は実在を証明するから。
ネットを介して顔も合わさず仕事が進むことも珍しくない今日この頃、私は確かに存在している人間ですよと伝えることは、相手にどれほど安心を与えるか。それが顔写真一枚で叶うなら安いもんだと思いませんか。
クリエイターさんなら、理解していただけると思うんだけど。写真とイラストの表現の違いについて。
写真は、現場をそのまま写し取ることしかできません。だからこそ、その場その時の現実を強烈に正しく伝える。
一方で、イラストは、どのように作っても創作物です。だからこそ、現実をいつも少し違った形で伝える。
実在を証明する作用を持つのは、写真だけです。それは写真という表現方法だけが持つスペシャルなチカラです。似顔絵=イラストには担えない仕事です。だから写真でなくてはいけないんです。
でかでか載せなくたって、たったの100px四方だっていいんですよ。そのごく小さな画像ファイルでさえ、写真ならば「あ、この人本当に存在するんだ」と反射的に信じさせてしまうのです。
誰も、履歴書に似顔絵なんて貼りませんよね?そういうこと。
「変なお客様」を寄せ付けにくくする
顔写真を公開することは、「変なお客様」に対する免疫効果もあります。人間って、アイコンとしか認識してない相手にならどんな無茶だって言えちゃうもの。SNSで理不尽依頼が発生しやすいのはこれも理由のひとつです。
でも「ちゃんと顔出しして商売やってます。私はプロのイラストレーターなんで」って堂々と名乗っているイラストレーターさんに対して、ナメた依頼なんて誰しもしにくいんですよ。
怖いから自分を隠したままでお仕事くださいなのか、信頼を得たいから思い切って公開するのか。さて、どっちがお得でしょうか?
ちなみに私も10年間以上顔写真を公開してきましたが、道端で「あ、あの人」ってなったことなんて一度もありませんから、その点は安心してください。
ネットショップに顔写真が当たり前な理由
ネットショップを見ていると、「私が店長です」とか「こんなスタッフが対応してます」って写真がついていること、結構ありますよね。
そっち方面のノウハウではよく「ひとけ」(人の気配)って言葉を使います。人間の姿を見た人間は、その人の周りの人間をも自然と想像してしまうんです。
他にもお客さんがいて、この店長が接客してんのかな、と。てことは、自分が頼んでも多分大丈夫かな、と。
誰だかわからないアノニマスな存在よりも、現実に存在していて動いていそうな人間に、人間は信頼を寄せます。信頼は売り上げとなって返ってきます。だから企業はウェブサイトに社長の顔写真を載せるし、ネットショップは店長の写真を載せるんです。
こういう部分を、イラストレーターさんも利用したらいいんじゃないかな。
ただし、こういう写真はNG
言うまでもないですけれど、くれぐれもムッツリした表情とか、見下げたアングルとか、感じが悪いのは避けましょうね。
他にもこういうのはNG。
- うつむきすぎてて誰かわからない
- サングラスやマスクをつけてる
- 加工しまくった写真
証明写真みたいに固く真面目に!とは言わないまでも、一応ちゃんとカメラの方を向いて、誰だかわかる写真にしてくださいね。でないともう写真の意味がなくなってしまいますので。
「写真は実在を証明する」を逆手にとって「じゃあ顔がほとんど写っていなくてもいいんだね」みたいな解釈をした人がいたみたいなので、補足でした。
どうやって用意したらいい?
自分で用意するなら、仕事中の風景を誰かに撮ってもらうのがいいですよ。Macや画板に向かっているところとか。iPhoneで撮った写真でも十分使える。
ベストはもちろん、写真家に撮ってもらうことです。最近、SNSのプロフィール向けに個人の写真を撮影しますよ〜っていうお商売をしているカメラマンもいますね。ココナラで検索したらいくらか見つかりますよ。そういうところに頼むのがお手軽で良さそうです。
ポーズは指示してくれると思うけど、背筋を伸ばしてちゃんと構えて、自然な表情で撮りましょうね。服装はスーツでなくてもいいけどジャケットくらい羽織っているといいと思います。
いしつく!の教科書
「ポートフォリオサイト、自作してみたけど、仕事依頼なんて一回も来たことない」
そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »