イラスト個人サイトの作り方。趣味全開で作ったけど、本当は「仕事の問い合わせの来る」ウェブサイトがほしい

イラストレーターが自作した個人サイトの大半は、趣味のギャラリーサイトだったり、友達と見せ合いっこして馴れ合うためのものだったり、オシャレデザインにこだわっただけのものだったり、とにかく個人的なコンテンツばかりを入れてあるものです。

だけど本当のところは、イラストレーターは仕事の問い合わせが来るようなウェブサイトにしたいと思っている。

でも、ウェブサイトから仕事の依頼が来るというイラストレーターは依然として少ない。どうしてそうなってしまうの?

イラストサイトの作り方を知りたい人にぜひ読んでほしいお話です。

多くのイラストレーターに面会してわかった。希望と現実のズレ

私はこれまで多くのイラストレーターに面会してきました。自作サイトを持っている人もそれなりにいました。

でもそのほとんどは、はたから見るとビジネス用途で作られたものには全く見えない。オシャレデザインなだけで中身がないとか、オタク的な馴れ合い全開とか。そんなんじゃあ仕事の問い合わせが来るわけはないよね、と思えるようなものばかりでした。

もしかしたらあなたの自作ウェブサイトもそんな感じかもしれません。というのも、実際にウェブサイトを通じて仕事の問い合わせが来ています、と言っているイラストレーターには数名くらいしか会えなかったからです。

でもイラストレーターたちは口々に言っていました。本当は、ウェブサイトが誰か企業の中の人の目に留まって、仕事の問い合わせが来るようになればいいなとは思ってる、と。

多くのイラストレーターは、自分の本当の希望や思いを反映したウェブサイトが作れてない。残念ながら。

なぜイラストレーターはビジネス用途のウェブサイトを作らないのか?

なぜそうなってしまう?単純に、知らないんだと思います。仕事の依頼が来るようなウェブサイトの作り方、というのを。

仕事の依頼が来るようなウェブサイトにしたいのだったら、そのための方法に沿って作るのが順当です。でも多くのイラストレーターはそうはしない。個人的なギャラリーサイトを作ることに終始します。

イラストレーターが「ポートフォリオサイトの作り方を知りたい」と思ったら、はじめにすることは周りのイラスト仲間のイラストサイトを見ることです。

だいたいみんな個人的なサイトを作っています。周りのみんながこんな感じだから、私も多分こんな感じでいいのかな、となんとなく思って作り始める。

結果、どのイラストレーターも似たようなギャラリーサイトになってしまう。そしてあまり仕事の役には立たない。

本当はイラストレーターは「仕事の問い合わせの来る」ほうのウェブサイトがほしい

「イラストは趣味としてやるだけ。仕事の依頼なんて全く興味ない」というイラストレーターはかえってとても少ないはずです。だいいちそう思っている人はこの記事を読んでいるはずがないでしょう。

どう見ても個人趣味全開のウェブサイトを自作しているイラストレーターでも、ほんとうは仕事用のウェブサイトが作りたいんです。だけど、その作り方がわかんなくて同業者の真似をする。

その結果、ウェブサイトから仕事の問い合わせが来ることはない。ひいては、ウェブサイトなんか作ったってどうせ仕事の役になんか立たない、と思い込んでしまうのです。

それはとてももったいない。実は仕事の問い合わせが来るウェブサイトの作り方というのはすでに存在しています。

知らないからそうなってしまうんですね。

イラストサイトをダメ出しされることで自分の作品が傷つけられたかのように捉える人がいるけど、そうではない。作品の良し悪しじゃなく、ウェブサイトの作り方が間違っているんですよ。

「趣味サイトで、あわよくば仕事も」は叶わない

イラストレーターがよく言うのが、「素人っぽいギャラリーサイトでも別にいいと思う、もしかしたら誰かの目に留まって仕事の依頼が来るかもしれないから」というもの。

もちろん、ウェブサイトを持っていないよりは、持っている方がいいに決まってます。

ですが、個人的コンテンツ全開のウェブサイトを作って「あわよくば仕事の依頼も……」を叶えるのは、非常に難しい。

かくいう私もイラストレーターとして駆け出しの頃、90年代の終わりから00年代初め頃のことですが、個人的で趣味全開のイラストサイトをやっていたものでした。問い合わせは来たとしても一般人からの「素敵な絵ですね」みたいなメッセージくらいで、一銭も生み出さない個人サイトでした。

時を経て、ウェブのプロとしても活動するようになって、なぜそうなってしまったのかありありとわかります。

簡単にいうと、イラストレーターが作りがちなオシャレカワイイ個人の表現全開のウェブサイトでは、鑑賞用にしかならない、ということです。訪問者は作品を鑑賞して、楽しんで、満足したら、去ります。それで終わりです。

訪問者の行動を考えたとき、絵を鑑賞しただけで「さあこのイラストレーターに依頼しよう」とはなりません。問い合わせフォームへ行き、仕事依頼を入力し終えるに至るためには、もっと複雑な情報、検討、吟味が必要です。

鑑賞用サイトでは、検討に値する情報が揃わない。これが、ただのオシャレサイトが仕事の役に立たない理由です。

そもそも、同業者や一般人に見せることを意識して作ったサイトなので、問い合わせに至る可能性の低い訪問者しか来ない。というわけでイラストレーターの本来の望みを叶えられないのです。

「仕事の問い合わせの来る」ほうのウェブサイトの作り方

本心では「仕事の問い合わせが来るウェブサイトがほしい」と思っているのに、趣味サイトを作って「あわよくば」と願うのって、とても労力の無駄だと思いませんか。思っていることとやっていることが違うのって。

あなたの本心からの望みを叶えてほしい、って言うとなんかドリームで胡散臭いんだけど、やり方次第ではそれがちゃんと叶うのがウェブの面白いところなので、「仕事の依頼が来るウェブサイト」の作り方のほうを、ぜひ知ってほしいなって思います。

仕事に役立つウェブサイトの作り方のコツ

  • 「私はビジネスとしてイラスト制作してます」って態度を明確にする。
  • 誰に訪問してもらうべきか考える。それは同業者じゃなくお客様であるはず。
  • 見てもらう・知ってもらうことよりも、その後のつながりを考える。
  • オシャレさや個人的趣味ではなく、訪問者の行動に合わせて要素やレイアウトを決める。

いしつく!では顔写真を公開したほうがいいとか住所は一部でも明かすべきって伝えていますけど、このコツに基づけばしぜんその考えに至ります。結構勇気がいるかもしれないけど、信頼を得るには当然必要なことなんですね。

もっと具体的なことをいうと、どうレイアウトすべきとか、問い合わせフォームはどう作るべきなのかとか、こうするのが正解、というアドバイスは山ほどあります。

それを伝えるのにはとても1記事で足りるものではないので、noteマガジンで「いしつく!の教科書」というのを書きました。趣味のイラスト個人サイトではなく、仕事の取れるウェブサイトを作りたいかたはぜひ読んでみてください。

いしつく!の教科書

「ポートフォリオサイト、自作してみたけど、仕事依頼なんて一回も来たことない」

そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。

目次 & 概要

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