イラストの仕事を始めたばかり、もしくはこれから始めようとしているイラストレーターさんやフリーランスのクリエイターさんへ。請求書の書き方がわからない!って人のためにまとめてみました。
目次
請求書とは(念のため)
「請求書ってナニ?」なんて人は社会人でさすがにいないとは思うけど、念のため。仕事を受注して納品したら、そのあと代金を受け取るために「○円払ってください」という文書を作ってお客様に送ります。これが請求書です。
「請求書って、法律で決まった形があるんでしょ?」って思っている人がいるかもしれないけど、答えはNoです。書式自由だし、何の項目を書かなければならないってのも法律に書いてあるわけじゃありません。
基本的には「これだけの金額を払ってくださいね〜」とお知らせをするだけの文書ですから、伝えなくちゃいけないポイントさえ押さえてあれば、あとはなんでもいいんです。
とはいえ大事なお金のやり取りに関わること。取引先さんに信頼してもらって、安心してお金を払ってもらいたいでしょ?そのためには何を伝えるべき?ってポイントをこのあと説明していきます。
請求書のテンプレートを用意しておこう。ExcelやNumbersで
まずはどうやって作るのか、という話をしましょう。請求書は、書式自由。ぶっちゃけ手書きでもいいんです。でもそれだと計算ミスや記述ミスが起こりがちだから、ほとんどの人は表計算ソフトで作ったテンプレートを使いますね。
何のソフトを使うか?Microsoft OfficeのExcelでもいいし、イラストレーターさんはMac使いの人が多いと思うけど、Apple製オフィスソフトのNumbersやPagesを使ってもいい。最近のMacには無料で元から入ってるし綺麗にできるからMacの人にはこっちのがオススメ。
私はこれらが無料でなかった頃からやってるんで、Apache Open Officeってのを使ってます。これも無料で使えてMS Officeとの互換性も良かったんだけど、最近はちょっと不具合も目立ってきたからそろそろNumbersにやり変えようと思ってま〜す(新たにテンプレ作り直すのがめんどいだけなんだな)。
請求書には何を書くべき?
つづいては、請求書に書く項目のこと。前述のように「何を書かなきゃいけない」って法律で決まってるわけじゃないんです。だからってテキトウじゃあ先方さんにも迷惑をかけるし、なかなか支払ってもらえないなど自分に痛手があるかも。なので、一般的に押さえるべきところは押さえたほうがいいですね。
自分の情報
- 住所
- 屋号、名前
- 電話番号、メールアドレス
自宅で仕事をしているイラストレーターさんのなかには住所公開したくないって人もいるけど、じゃあ反対に取引先からしてみたら、どこの誰だかわかんない個人に気持ちよくお金を払えるかな?
たぶん仕事が終わるまでの間に先方さんと色々やり取りはしてると思うけど、イラストレーターさんの仕事では場合によっては、実際に仕事を共にした人と、請求する先は別の会社だったりもする。だからあなたが何者かハッキリわかるようにしておかないと、支払いに支障をきたすことも実際にはありえます。不備があったら連絡が取れるように、電話番号やメールアドレスは必ずテンプレに入れておきましょう。
発行日、宛先、件名、金額
- 発行日
- 相手の社名(担当者の名前)
- 件名
- 合計金額
相手の名前は会社名にするか、担当者の名前まで書くか、これは場合による。わかんなかったら会社名でたぶん問題ないでしょう。
ちなみに敬称は、
会社名の場合は「○○株式会社 御中」
担当者さん宛の場合は「○○株式会社 (担当者名)様」
「件名」は、その請求はどの仕事に対しての?というのがわかるように書く。もし、ひとつの取引先さんからいろんな仕事を引き受けていて、月末にまとめて請求するなんて場合は「○月分制作作業」みたいな感じでも。
当然のことながら金額を忘れてはいけません(笑)。
総合計の金額と、明細と消費税の欄をつけて金額の根拠が見えるようにするのが普通ですね。
支払先
- 口座番号と名義
- 支払手数料はどちらが持つのか
- 支払期限
ここに支払ってくださいね、という先を書いておく。ふつうは銀行口座だよね。名義と口座番号を。これ間違えると「振込先がないんですけど??」ってことになって先方さんにご迷惑をおかけするから、間違いないかよーく確認しよう。
それから支払手数料。先方さん負担にしてもらうのなら「支払手数料はご負担ください」と入れておく。ただし「振込手数料は制作者側で持ってください」って会社もあるから、あらかじめ確認するのがぶなんかも。
それと、いつ支払われるか。取引が始まるとき、代金の話をしたときについでに聞いておいくのがいいかもね。そして支払期限として書いておく。相手を信用しないわけじゃないけど、うっかり忘れられることもあるし、こっちも把握しやすくなります。
源泉徴収税と消費税
フリーランスとして企業と取引してると、源泉徴収っていうのがあります。
報酬から所得税(およそ1割)をあらかじめ差し引いた状態で支払われる場合があって、これを源泉徴収っていいます。
もし、後日お金が振り込まれたとき、その金額が請求書に書いた金額と違ってたら、それはおそらく間違いじゃなくって、所得税を差し引かれてるはず。
※ちなみに、このとき差し引かれた所得税のうち、払い過ぎた分を返してもらう手続きを「確定申告」っていいます。
会社によっては、請求書に源泉徴収税の計算も書くように、って言ってくるところもあります。まぁ今あまりないとは思うけど(そもそも源泉徴収税の計算は支払側の責任なんだけど)いちおう覚えておいて。
それから、請求の時は消費税を乗せて請求しよう。「売上が1000万円超えてないフリーランス業者は消費税を請求しちゃだめ」とか言われて信じちゃってる人、いない?それ間違いだからね。この件についてはくわしくはまた別記事で。
ハンコは必要!
請求書にはハンコを押そう。
どんなハンコかというと、個人でイラストレーターをやっている人は個人の名前がついたのを使います。銀行印とか、あんな感じのね。会社を設立している人は会社印で。
請求書に印鑑を押すことについては、
「請求書にハンコなんて必要ない!そんなの法律で決まってない!」
っていう主張がネットでは出回ってるんだけど、これは、鵜呑みにしないでほしいのね。特にイラストレーターさんは。
出版社や編集プロダクションと取引することの多いイラストレーターさんは、判子を忘れたが為に支払いに支障をきたすこともあるから、「印鑑必須」で習慣づけておこうね。
この件もまた詳しくは別記事で紹介します。
請求書テンプレートの例
以上をまとめるとこんな請求書のできあがりっ。
私もイラストのお仕事ではだいたいこういう感じのテンプレートを使ってます。
テンプレートはネットで検索したり、あるいはソフトにあらかじめ入っているのをひとまず使えばいいけど、実際にはなんやかんやでそのままではなくて、仕事内容や取引先さんのルールに合わせて改造していく必要は出てきますね。
ただ一度ちゃんとしたのを作ってしまえば何年でも使えるものだから、表計算ソフトに慣れる意味も込めて、自分で考えて作ってみるのもいいですよ。
余談だけど、自分の描いたイラストを入れた請求書、なんてのも実はアリ。時間のある人は個性を出してデザインしてみてもいいかもね。
イラストレーターさん、お仕事がうまくいきますように☆