イラストレーターのための請求書の書き方。[フリーランス]

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イラストの仕事を始めたばかり、もしくはこれから始めようとしているイラストレーターさんやフリーランスのクリエイターさんへ。請求書の書き方がわからない! って人のために、実際にイラストレーターとして企業と取引してきた私が教えます。

公開 2018年4月5日
改定 2026年5月15日

請求書の書き方は、きちんとポイントを押さえよう

請求書のフォーマットって別に法律で「これを使いなさい」と決まっているわけじゃありません。が、実際の取引では、必要な項目が書かれてないために取引先が困ってしまったり、税制上書かなきゃいけない項目もあります。

ちゃんと仕事してるイラストレーターなら、名の通った大手出版社へ請求書を提出する機会もあるだろう。「個人クリエイターだから適当でいいでしょ〜」ってな考え方ではだいぶマズイ。

また請求書は、フリーランスや個人だから特別にこう、ということはなく、会社として発行するものでも、個人でも、中身は同じです。

ちゃんと押さえるべきポイントを押さえた請求書を作ろうね。

フリーランスイラストレーターの請求書、何で作ればいい?

請求書の書式は自由なので、なんでも手元にあるツールを使えばいいです。

  • Windowsの人はMS Excel
  • Macの人はNumbers
  • どっちもなければGoogleスプレッドシート

請求書は金額の計算を含むんで、表計算ソフトを使うのがふつうです。どれでも使いやすいやつを。

ちなみに書式自由なので極論手書きでもOKですが、計算ミスが起こりがちなんで今時誰もやらないですね。

ちなみに私はMisocaというクラウドサービスを使ってます。

請求書のフォーマット (テンプレート)

フリーランスイラストレーターさんのための請求書の書き方(テンプレート例)

Excelの請求書のテンプレートはネットで検索したり、アプリのホーム画面にあらかじめ入っているのをひとまず使えばいい。だけど実際には仕事内容や取引先さんのルールに合わせて改造していく必要は出てきます。

なんやかんやでそのままではなくて、自分でカスタマイズしていく必要はあるって感じですね。

余談だけど、自分の描いたイラストをあしらった請求書なんてのも実はアリ。まあ普通は事務的でそっけない書類なんで、ちょっと個性を出してデザインしてみてもいいかもね

請求書に書く内容は大きく「自分の情報」「取引先への情報」「金額まわり」の3ブロックに分かれます。それぞれの項目をどう書いたらいいのか、についてはここから説明していきます。

請求書のフォーマット: 自分の名前・住所・ペンネームはどう書く?

フリーランスイラストレーターさんのための請求書の書き方

屋号・本名・住所・連絡先

自分の情報として、テンプレートに入れておく項目はこちら。

  • 屋号
  • 名前
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • (インボイス登録している人は) 登録番号 (会社の場合はT+法人番号)

個人事業主の人は屋号 + 氏名、屋号がなければ氏名。会社を設立している人は会社名 + 担当者名として氏名、とします。

当然のことながら、どこの誰が請求しているかわからないと困るので、まずはこれらの情報を書きます。

実際に支払業務をする人は、あなたと一度も会うことのない経理担当者ってことが大半です。不備があったらすぐ連絡を取れるように、連絡先は必ず入れておきましょう。

フリーランスイラストレーターで「電話番号とか住所とか書きたくない! 個人情報ガー」とか言っている人いるけど、ダメですよ。取引先からしてみれば、連絡先のわからない人にお金を払えないので。

住所はきっちり番地まで。または、事務所の住所を書きます。バーチャルオフィスならきちんと契約してあり郵便物が届く住所を。

インボイス番号もある人はテンプレートに入れておきましょう。連絡先の近くなどに書いておけばOKです。

ペンネームのイラストレーターはどう書くか

基本は、ペンネームで請求書を作って問題ありません。ペンネームは仕事上常にそれを名乗って活動していくべき名前であり、請求書はそのあなたが送ったことが伝わることが大事だからです。

ただし、実際にそれですべてOK、とは断言できない。取引先に確認した方がいいです

例えば、依頼元と支払元が別々のケース。依頼をくれたのが編集プロダクションで、支払いは大元の出版社が行う、みたいな場合、支払元から本名やハンコを求められる可能性は今でも全然ありえます。

また請求書とは別に、マイナンバー ( + 場合によって身分証明証) の提出が求められます。これは税務上必要なので必ず対応してほしいんですが、請求書にペンネームしか書かないと、その書類との整合が取れずに困るケースもあるかもしれません。

ペンネームや屋号っていつでも好きに変えられるので、身分証明ができない。本人確認には本名と住所しかない

なので、ペンネームの人はどうするのがいいか、請求書に本名を併記したほうがいいのか、逐一取引先さんに確認するのが一番問題が少ないと思われます。

このように、請求書自体をペンネームで作っても、100%本名を隠したままでは済まない。そもそも本名で活動するほうが何かとこういう場面でも信用を得やすいわけで、そこは人によってそれぞれ考えておくべきところです。

宛先・発行日・件名・支払先: 取引先への記載事項

フリーランスイラストレーターさんのための請求書の書き方

宛先 (宛名)

宛先は、相手の社名 + 担当者の名前、とする。

  • 会社名の場合は「○○株式会社 御中
  • 担当者さん宛の場合は「○○株式会社 [担当者名]

「様」と「御中」は同時につけないのが正しい。

発行日

発行日は、基本は文書を作った日を書けばいいです。ただ、支払いのタイミングに関係があるので、心配な場合は先方に確認してもいい。「月末の日付を書いてほしいな」なんて言われることもある。

件名

その請求はどの仕事に対しての? というタイトル。イラストレーターの場合お手伝いした媒体名とか記事名とか。先方の事務処理の都合もあるので、あらかじめ担当者に確認するのもいいね。

ひとつの取引先さんからいろんな仕事を引き受けていて、月末にまとめて請求しますよ〜なんて場合は「X月分制作作業」みたいな感じにすることもある。

フリーランスイラストレーターさんのための請求書の書き方

振込先

ここに支払ってくださいね、という先を書いておく。ふつうは銀行口座。これを間違えると「振込先がないんですけど??」ってなって取引先にご迷惑をおかけすることになるので、間違いがないかかならず確認すること。

振込手数料

「支払手数料はご負担ください」と入れておく。ただしあまりないけど「制作者が振込手数料を負担してください」っていってくる会社もある。ようはどっちが持つのか明確にしておくこと。

支払期限

いつ支払われるか、日にちを書く。この請求書がいつ払われるべきものか書いておくことで、お互い把握しやすい≒事務処理的に便利。請求出したはいいものの「いつ払えるかわかりません」じゃ困るんで、支払日がいつなのか先方にはかならず聞こう。

金額の書き方: 明細・消費税・合計

フリーランスイラストレーターさんのための請求書の書き方
ちょっと画像が古いので申し訳ないが、厳密には、消費税は軽減税率対象品 (8%) とそれ以外 (10%) で分けて書く。ただ、イラスト制作の請求はほぼ全部10%。

明細欄の書き方

「何の作業が何点でいくら」という根拠が見えるように、明細表を設けます。単価x数量で計算できる形がわかりやすいです。

どこまで詳しく書くかは状況によりけり。最初に見積書や発注書の取り交わしをしてあって、何の作業にどれだけかかるか、をお互い共有済みであれば、請求書には「制作一式」みたいな項目で一括の金額を書くこともある。

合計金額と消費税

ご存知のとおり消費税には税率が2種類ありますね。請求書には、軽減税率対象品 (8%) とそれ以外 (10%) で分けて合計を書き、それぞれに税率をかけて合計を出します。

ただしイラスト制作はほぼ例外なく10%でしょう。全部の合計金額は、明細の上のほうに大きく載せておくとわかりやすいです。

ちなみにインボイス登録をしていなくても消費税は請求してOKです。

源泉徴収税と請求書

源泉徴収というのは、報酬が支払われるときに、所得税としてかかるであろう金額 (およそ1割くらい) をあらかじめ差し引いた状態で支払うことです。個人事業主のイラストレーターはよく出会いますね。

基本は、請求書に源泉徴収は書かなくていい

で、源泉徴収税を請求書に入れるのかどうか? について。

源泉徴収をするのは支払側の義務なので、基本は請求する側は何もしなくてよく、請求書に書く必要もありません (実際、書かなくても必要があれば源泉徴収されます)。

ですが、慣例として書くのが当たり前みたいになっていて、中には「源泉徴収の額を計算して書くように」と指示してくる会社もあります。本来おかしなことではありますが、そこでモメるのも馬鹿らしいので、あくまで「お客様のご要望だから書いてあげますよ」という立ち位置で入れておくといいと思います。

請求書への源泉徴収税の書き方

請求書に源泉徴収税を書く場合は、こうします。

  • 源泉徴収税額は、請求額の税抜金額に税率をかけたもの。端数は切り捨て
    ※請求書に税抜金額と消費税が分けて記載されていること前提
  • その金額を、元の請求額から引いたのが「支払額」
  • 合計請求額と、源泉徴収税額・支払額は分けて書くこと

あくまで請求金額が少なくなるわけではなく、支払金額が請求金額と異なるよ、というのがポイント (企業の担当者 = サラリーマンはこれを理解してなく、変な対応をされることがあるので覚えておこうね)。

税率については、100万円以内で10.21% (所得税+復興特別所得税) で、100万円超えた部分については20.42%。詳しいことは国税庁のウェブサイトなどで確認を。

誰が源泉徴収の対象になるのか

源泉徴収をする対象になる仕事の種類ってのが決まっていて、ライター、イラストレーター、デザイナーはだいたい含まれます。一方、エンジニアは含まれない。ウェブ制作の仕事だと取引先によって対応が違ったりしますね。

インボイス制度と請求書

登録事業者の場合

インボイス登録をしている場合は、請求書に登録番号・税率・税額を明記した「適格請求書」を発行する義務があります。書式自体は通常の請求書と大きく変わりませんが、登録番号の記載と、税率ごとの金額の内訳が必須です。

免税事業者のままの場合

インボイス登録しない場合でも、もちろん請求書の発行は必要です。登録番号の欄が必要ないだけで、登録事業者と同じように税率ごとに分かれたテンプレートを使って問題ありません。

ちなみに免税事業者でも消費税は請求してOKです。ただ、取引先は仕入税額控除が受けられないため「免税事業者は消費税の請求をしてくるな」と指示してくることがあります。素直に従うか、あるいはそういうところとは取引しないと決めておくか、はたまたそれを見越した価格設定にしておくのか。そのあたりはそれぞれで考える必要があります。

請求書を送るタイミング

請求書を送るタイミングは、基本は納品後です。

支払のタイミングは企業ごとにだいたい決まっていて、月末締め・翌月末払いという会社が多いです。ほかにも、書籍にたずさわる仕事だと、刊行のあと〇〇日、という決め方のこともあります。

「月末締め」と言われたら、仕事のやり取りが終わった月の末までに請求書を作って送る感じです。ちゃんとした企業と取引していると、その辺の頃合いで「そろそろ請求書を発行してくださいね」って連絡をくれる場合が多いです。

請求と支払のタイミングは、そもそも依頼を受けるときに必ず確認しましょう。請求から支払いまであまりに長く待されるのは取適法 (以前は下請法と呼ばれていた) の違反の可能性もあるので、気をつけておきましょう。

個人とか相手に仕事している人はあなた主導で「請求書を発行するので、払ってください」とお知らせしてあげるのがいいかもです。

いずれにしても、いきなり請求書を送るというよりは「そろそろ請求をしますね」というやり取りがあってから送るのがふつうです。

請求書の送り方: メール・PDF・郵送のルールと注意点

請求書はデータ・メールで送る

請求書の送り方は、特に何も言われなければ「PDFに書き出して、メール添付で送る」ものだと思っておいてOKです。

数年前まで「紙に印刷して郵送するように」というところが多かったのですが、今はPDFを送るほうが圧倒的に一般的になりました。電子帳簿保存法に準拠する会社も増えたので、紙で送られてくるとスキャンの手間がひとつ増えちゃうんですよね。

紙で郵送する場合

何らかの事情で紙に印刷して送らないといけない場合は、次のポイントを押さえましょう。

  • 請求書は「信書」にあたる。宅急便等ではなく、必ず郵便で送ること
  • 封筒の書き方。縦書きで、右から住所、会社名、部署名、担当者名と書く。上に郵便番号、切手は左上。

請求書を宅急便やゆうパックで送るのは郵便法違反なので注意してね。「請求書のついでにポートフォリオも送ろう」なんて考えているとうっかりやってしまいそうですが

請求書にハンコは必要なのか?

イラストレーターさん、請求書にはハンコを押そう。

請求書には、印鑑はあったほうがいいです。今でもね。

いやハンコを「押す」っていうか、押した印影をスキャンして画像化して、請求書のテンプレートに入れておけばOK。

  • 個人事業主やフリーランスは個人名のハンコを。100均でも問題ない
  • 会社作っている人は社印を押します

ハンコなんて過去の遺物だ!! なんて言われるようになって久しいですけど、ハンコのあるなしで書類の扱いが変わってくることはまだまだ全然ありますよ。テンプレートに入れとけばいいんだから、入れておきましょう。

真面目に仕事しているイラストレーターは、そこそこの大企業に請求書を送る機会もあるはず。私の過去のミスですが、ハンコがない請求書を送ってしまったところ信用されず、支払いが遅らされたことも実体験としてあります。

請求書作成のポイント まとめ

以上、請求書の作り方について解説しました。ポイントは次のとおり。

  • 請求書を作るツールはExcelなど表計算ソフト
  • 自分の情報をフォーマットに入れておく。屋号、名前、電話番号、住所、メールアドレスなど
  • フリーランスの場合は屋号+名前、会社を設立した人は会社名+名前
  • ペンネームで活動している人は、ペンネームで請求書を作って問題ない。ただし、取引先に確認するほうがよい
  • 請求先の情報は、名前、件名、発行日、振込先、支払期限、支払先 (口座番号) を書く。「支払手数料はご負担ください」も入れておく
  • 金額は、消費税は軽減税率対象品 (8%) とそれ以外 (10%) で分けて書き、それぞれに税率をかけて合計を出す
  • 源泉徴収額を書く場合は、合計請求額と、源泉徴収税額・支払額は分けて書く
  • インボイス制度に登録した場合、登録番号と、税率・税額を明記した「適格請求書」を発行する義務がある
  • 請求書を送るタイミングは、基本は納品後
  • 請求書はデータで送るのが基本
  • 紙の請求書を送る場合は、必ず郵便を使う。宅急便等を使わない
  • 請求書には、ハンコはあったほうがいい。画像データ化してテンプレートに入れておく

請求書作成をもっとラクにするには

以上解説してきましたが、正直ややこしい。

Excelやスプシで、インボイス制度の適格請求書や源泉徴収にもちゃんと対応したテンプレートを作り、請求のたびにひとつひとつファイルを作り、管理していくのって、めちゃくちゃ大変そうじゃないですか?

そう思った方には、クラウド型の請求書作成ツールという選択肢があります。

私は数年前からmisoca (ミソカ) というサービスを使っているんですが、見積から請求まで、書類の管理が格段にラクになりました。

例えば…

  • 自分でテンプレートを考えなくてもミスなく正しい請求書が作れて安心、インボイス制度の適格請求書や源泉徴収にも完全対応
  • 見積書から発注書・請求書に自動変換できたり (ちゃんと見積・発注書かわそう! と考えている人にありがたい)
  • いちいち「PDFを書き出し、保存し、メールに添付し、文面を考え、送る」というムーブをしなくても、画面上から「送る」を選択するだけで送れたり
  • 時期が来ると自動的に請求書を作成する機能もあったり (連載の仕事にめっちゃ便利)
  • クラウド帳簿に自動で転記してくれたり
  • 請求書一覧から合計金額が見えてモチベーション上がったり、入金済みのチェックもできたり

こんなふうに、misocaを導入してみたところ、請求書の書き方の面倒が解決しただけでなく、請求まわりの仕事が一気にカンタンになった、という感じです。

正直、もうExcelで作る請求書には絶対戻りたくないよ〜。今までよくやってたな〜と思います。

ありがたいことに、無料プランでも全部の機能が試せます。イラストレーターの方も、その他のフリーランスの方も、ぜひいちどmisocaを試してみてください。

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