ポートフォリオサイト作った!お問い合わせフォームもつけた!でも、まだ全然反応がないな……仕事が来ないな……というイラストレーターさんへ。
こんな風に考えてみたら?こんなことを試してみたら?
その1 : 焦らない。でも「待ってるだけ」でもない。
ウェブサイトを作れば即仕事が入ってウッハウハ!ドットコム!
なんつーのは明らかに勘違いです。ウェブサイトは作って即効果があるものではなく、速攻でアクセスが増えることはあり得ません。ウェブサイトは「育てて」いくもの、つまり仕事が舞い込むようにしたければ作ったあとの努力もある程度は必要ってことです。
ポートフォリオサイトって作って待ってるだけだよね、っていう認識はあらためてください。でも、焦らなくて大丈夫です。
どうせ時間がかかるからです。ウェブサイトを作ってから、それが検索結果に上がるようになるまで数ヶ月かかります。
営業や商談会も同じく、ポートフォリオを渡してから数ヶ月どころか2年後に仕事の話が、なんてこともある。だけど、コツコツ何かをやっていると、数ヶ月〜数年後にそれが返ってくる。仕事を取るって、そんな感じです。お米や野菜の収穫みたいな感じです。
その2 : ブログを書く
検索力(正確にいうと検索「される」力)を上げるのに手っ取り早く有効なのはブログです。
ウェブ検索は文字によって行われます。画像中心になりやすいポートフォリオサイトはそのままでは検索に対して強いサイトにはなりにくい。
だから検索で見つけてもらいやすいウェブサイトにしよう。ならば、文字や文章を増やそう。それが仕事を増やすことにつながります。
ただ、書く内容が重要です。イラストレーターがブログ書くっていうとなぜかみんな「イラストの上達方法」とか「私がお仕事依頼をいただくためにやったこと」みたく、同業者仲間を喜ばせようとする内容ばかり書く。でもそれらのネタをいくら一生懸命書いても一向にお客様には届きませんので、仕事は増えません。
あと、ブログの仕立て方も重要です。ジンドゥーとかの無料で作ったサイトとアメブロを組み合わせてる、みたいなのだといくら頑張っても効果が上がらないので、両者は同じドメインで併設されていることが前提です。
ブログって書いたことない人には難しいかもしれないけど、いったん文章を書くのに慣れると、この先かならず何かしらの役に立ちますよ。
イラストレーターさんのための、仕事につながるブログの書き方|いしつく!|note
その3 : 電話営業にトライしてみる
活躍しているイラストレーターさんって、ほんとナチュラルに営業しますね。いしつく!で関わったイラストレーターさんで「前からすっごく気になっていた雑誌があったから、さっき編集部に営業電話かけてみたの〜」なんて言ってる人がいました。通販の申し込み?(^_^;) ってくらい気軽に連絡しちゃいました。そういう人は仕事先からもかならず好かれるんだよね。
いまどき電話?って思う人もいるかもしれませんが、あんがい今でも有効です。
なぜなら、私たちイラストレーターが仕事をもらって嬉しいような会社、例えばきちんとしたデザイン事務所とか編プロとかは、連絡には今でも電話をたくさん使っているからです。
営業で電話をかけるとき、緊張してしまいそうな人はあらかじめメモを書くのがおすすめ。詳しくはこの記事をどうぞ。
イラストレーターさん、売り込みを怖がらないで!対面営業が怖くなくなる3つのコツ – いしつく!ブログ
その4 : 交流会へ行ってみる
もしまだあまり仕事の経験がないなら、近くで異業種交流会とかそれっぽいセミナーの話があったら、一度くらい行ってみたらどうでしょう。地元の中小企業が「イラストの入ったチラシを作ってみたい」とか、そういう話のひとつやふたつくらいはゲットできるかもしれません。
そんな仕事、思ってたのと違う!出版の仕事がしたいの!って思うかもしれないけど、少額だったとしても一応意味はあると思うよ。全くゼロの状態から自分のチカラだけで仕事を取ってきたって経験は自信にもつながるし、実績として載せるものも一応できるのだから。
ちなみに、覚悟しておいていただきたいので先に言っておくと、交流会でがっかりする可能性は大いにあります。
「イラストレーターって何?萌え絵描く人のこと?」「Adobeのソフトのことでしょ?」みたいな反応って冗談じゃなくあり(ITな人たちの集まりだと特に顕著)、イラっとすること請け合いです。
まあでもイラストレーターという職業の認識って世間ではその程度なんだな、と、いちど実感しておいたらいいと思います。
交流会に入れ込むのはおすすめはしませんが、何かと勉強にはなるでしょう。
その5 : お客様にお知らせメールを送る
これまで商談会や交流会に行ったことのあるイラストレーターさん。名刺交換しましたよね?その中に出版社や制作会社にお勤めの方の名刺があったら、たまにメールを送ってみましょう。
実は何にでも使えて効果も高いアクションです。
イラストを見てもらう・自分を知ってもらう機会を増やしたほうがいいのはたしかにそうですが、知ってもらったからといって即仕事が発生するかというと、そうでもありません。ふつうは今さっき知ったばかりのイラストレーターよりも、関係性がすでにできている相手を優先するからです。
大半のイラストレーターさんは知ってもらう系行動にしか興味がありませんが、実は関係を築く系行動のほうが重要です。そこで使いやすくて効果が上がりやすいのがメールってわけです。一過性の関係じゃなくて、末長くおつきあいできる仕事関係を築けるよう、継続してやってみましょう。連絡できる先を増やすことも大事ですね。
頻度は一ヶ月〜二ヶ月に一度くらいでいいです。うっとおしがられるようなことでは逆効果ですから。
内容はシンプルに「仕事上のお知らせ」というていでよろしい。ポートフォリオを更新したのでよかったら見てくださいとか、事務所を構えたのでお近くにお越しの際はお立ち寄りくださいませとか、そういうので良いです。ブログの更新お知らせでもいいです、でもちゃんとお客様向けの内容を書けている人に限ります。
私の世界観を見て見て感は出さなくていいです。以前に名刺交換したイラストレーターさんは、自作キャラクタの内輪ネタみたいなのを季節ごとに送ってくるんだけど、一体何の用事??ってすごく思います(でも面白いから傍観しています)。
あくまで、お仕事上のお知らせか、お客様の役に立つことに絞ってください。
その6 : 外注募集を探して、応募してみる
制作会社や編集プロダクションなどのウェブサイトには、外注業者募集とか外部パートナー募集っていうページを設けていることがあります。だいたいは応募フォームを設けてます。検索して見つけてみてください。
そんなのほんとに仕事になるの?っていうと、応募したら即仕事ってことはほとんどない。ただ、その会社がフリーランスに外注依頼をする機会があるということは確実なので、もし地理的に近いのだったら、もうちょっと踏み込んで連絡とってみて、直接営業してみてもいいかもですね。
イラストレーターが募集されていることもありますし、ほかにもライターさん、デザイナーさん、カメラマンさんなんかがよく募集されているようです。
その7 : SNSの使い方を考え直す
SNSは、イラストレーターのほとんどはなんらかやっていると思います。ただ、仕事の依頼が来るようになりたいのだったら、使い方を再構築しよう。
イラストレーターを自称している人はみんな、SNSでなんとなくイラストを流します。「#イラスト好きさんとつながりたい」などのハッシュタグをつけて。誰かの目にとまればいいな、ってことでそういう活動をしてるんでしょうけど、それをいくら一生懸命やったところで仕事の依頼は来ません。
いっぱいLikeがほしい、バズりたい、って思っているイラストレーター多いけど、そういうの一回忘れてください。
もし自称イラストレーターではなく、超低額の個人依頼とかじゃなく、企業と堂々と取引できる本当の意味でのイラストレーターを目指したいのだったら、SNSの使い方はガラッと変えてください。
どうしたらいいの?といいますと、基本は仕事に関連することだけ流していきます。ぶっちゃけ結構難しいと思います。
よくわかんないって人は、これだけ覚えといてください。
- 個人向け&馴れ合い系のハッシュタグ活動は一切やめる。
- イラスト画像を流すよりも、ポートフォリオサイトのURLをシェアする投稿をする。
まとめ
というわけで、「イラストサイト・ポートフォリサイトは作ったけど、仕事のチャンスが来ない」というイラストレーターはこんなことを試してみたら?ということをお伝えしました。
これをやってもすぐには仕事が発生しない人もいます。でも、継続してコツコツやっていると、見えない地下で根っこが伸びていて、ある日突然花が咲く。成果が上がるときというのはそんな感じなので、あきらめずにやってみてください。
それと大切なのは、そもそもポートフォリオサイトの作り方が間違っていないかどうか。多くのイラストレーターは同業者の真似をしてオシャレでクールなポートフォリオサイトを作りがち。でもそれではいくら一生懸命施策をしても、仕事の問い合わせが一向に来ない、ということが起こります。
それでは努力が水の泡なんですよ。怖いでしょ?だから、まずはポートフォリオサイトの正しい作り方、というのを知ってください。もし間違ってたな、って思ったらリニューアルしていきましょう。それと並行して上記の努力もコツコツやっていきましょう。
9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない|いしつく! / イラストサイトのつくりかた|note
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »