WordPressでイラストポートフォリオサイトを作ろうとしているイラストレーターへ。イラストレーターでもありつつWordPress公式プラグインを開発したりもしているいしつく!から、どんなテーマを選べばいいか教えます。
比較的おすすめなのは、ビジネス向け・企業サイト向けのWordPressテーマ。クリエイター向けのポートフォリオ用テーマのほとんどは使えないけど、「仕事の取れるポートフォリオサイト」のために開発されたWordPressテーマもあるので、ご紹介します。
クリエイター向けWordPressテーマは「使えない」
クリエイター向けのWordPressテーマはたくさんリリースされています。WordPress公式ディレクトリで「portfolio」とか「design」とか検索すると、オシャレでカッコいいクールなデザインのテーマがいっぱい出てきます。
しかし、ぶっちゃけ言わせていただきますが、もしも「ウェブサイトから仕事の依頼が来るようになりたい」と思っているのであれば、「クリエイターのポートフォリオサイト向けに作られたクールでオシャレなテーマ」を使わないでください。
なぜかというと、そういうテーマを使って作ると十中八九、仕事の依頼の来ない、ただカッコイイだけのギャラリーサイトができあがるから。
「見た目カッコイイだけの観賞用サイト」が作りたい人はこの限りではありませんので、どうぞお好きになさってください。
なぜ、クリエイター用クールデザインWordPressテーマを使うべきではないの?
シンプルにいうと、オシャレでクールなクリエイター向けWordPressテーマは「仕事依頼ゲット」のために作られたものではないからです。
それは、クリエイターが喜んで使ってくれるものを作った結果なんです。
私もWordPressテーマやプラグインを開発しているからわかるのですが、開発者の立場からいうと、せっかく労力をかけるのだから、できるだけ多くの人に使ってもらいたいわけです。
イラストレーターやクリエイターって、オシャレでクールでスタイリッシュな最先端ぽいデザインのウェブサイトが好きですよね?
ビジネスへの影響とか関係なく、パッと見て「かっこいい」「素敵」と思えるようなものを好みますよね?
だから、クリエイターのポートフォリオ用のテーマっていうのは、オシャレでクールでなんとかグリッドデザインな見た目だけに気を遣っていて、「どうすれば仕事の依頼が来るか、どうすればビジネスがうまくいくか」ってことは一切無視して開発されてます。
つらい話だけど、正直、クリエイターの側がそれを望んでいるから、でもあるんです。
クリエイター向けオシャレでクールなポートフォリオ用テーマを使うと「オシャレだけど仕事の問い合わせは全く来ないクソサイト」ができあがるのには、こういう理由があるわけです。
WordPressで「仕事の取れる」イラストサイトを作りたいなら、ビジネス向けテーマを選べ
イラストレーターが本当に知りたいことってたぶんこっちよね↓
「企業から仕事の依頼が来るようなウェブサイトをWordPressで作りたいが、どうしたらいいのか」
もしそう思っているならば、オシャレカワイイクールな「クリエイターのポートフォリオ用」テーマではなく、ビジネス用・企業サイト用に作られたテーマを選択したほうがずっとマシです。
なぜなら、企業向けのテーマは「依頼や問い合わせが来やすいサイト構造」を作ることを想定して作られているからです。
クリエイター向けWordPressテーマが「依頼や問い合わせが来る」ことを一切無視しているのとは反対です。しかも、ビジネス用テーマだったら特別にダサいとかいうわけでもないので、「仕事の取れるサイトが作りたい」って思っているイラストレーターにはビジネス用テーマのほうが断然ふさわしいといえます。
おすすめのビジネス用WordPressテーマ
ウェブ素人にも使いやすいビジネス向けテーマを紹介します。無料で使えるWordPress公式テーマからピックアップしました。
おすすめWordPressテーマ1 : Lightning
日本製のWordPressテーマ。国内の企業サイトの定番と言っていいほどダウンロード数も多く、ウェブ制作の現場でもみんな知ってるテーマです。日本で使っている人が多いということは、その情報も多いということなので、もしカスタマイズしたくなった場合も安心です。
Lightning – WordPress テーマ | WordPress.org 日本語
おすすめWordPressテーマ2 : Attitude
海外製のテーマですが、信頼性を感じる落ち着いたデザインで、カスタマイズ項目も備えています。レティーナディスプレイ対応なのでイラスト画像を綺麗に見せられます。
このテーマは士業や医院に人気なんですが、イラストレーターもこういった職業と同じく、仕事の依頼をゲットしたければ、オシャレよりも信頼性ですよ。信頼性を感じるデザインとか内容がいかに大事か、ってことをきっちり押さえたテーマです。
Attitude – WordPress テーマ | WordPress.org 日本語
おすすめWordPressテーマ3 : Rara Business
無料のわりに高機能なビジネス用WordPressテーマ。ビジネス向けの要素をきちんと備えつつ、作品集セクションも持たせられるので、作品画像を多く見せたい&仕事をゲットしたいというイラストレーターにマッチします。
Rara Business – WordPress テーマ | WordPress.org 日本語
以上、イラストレーターにも使いやすいビジネス向けWordPressテーマを挙げました。いずれも有料版がありますが、無料版で十分です。他にも探してみたい人は、WordPress公式サイトで「Business」と検索すれば色々出てきます。
WordPress テーマ | WordPress.org 日本語
イラストレーターにおすすめのWordPressテーマ
以上、ビジネス向けのWordPressテーマを挙げました。が、クリエイターが使うことを想定して作られたわけではないので、実際に作るにはいろいろ工夫が必要になるはずです。
こちらは、仕事の依頼が来るポートフォリオサイトを作りたいイラストレーターのために開発されたWordPressテーマです。
仕事の取れるポートフォリオサイトにおすすめWordPressテーマ : いしつくポートフォリオ (ISTK Portfolio)
日本製で日本語対応のWordPressテーマ。クリエイターのポートフォリオサイト用テーマってなぜか「オシャレ」「クールデザイン」なものばっかりで、仕事の依頼が来るように考えられたものってほぼない。なので、いしつく!が開発しました。ホームの一番上にカルーセル(スライダー)が標準搭載されてます。
WordPressテーマ: いしつくポートフォリオ (ISTK Portfolio) – いしつく!
ただし、テーマだけでは理想通りのウェブサイトは作れない!
WordPressって、インストールして、テーマを選んで、いろいろ投稿すれば、あら?たったの1日でウェブサイトができちゃった! ってことができるので、そこはホントにすごいんです。
ただ、それだけでは「思った通りのウェブサイト」を作ることはできません。なので、テーマ選びだけにあまりにパワーを使いすぎるのは間違ってます。
公式テーマは「完全なる着せ替えの服」
WordPress公式テーマは無料で使えるし、コードの中身もチェックされたものなので、安心して使っていい。
ただ、ひとつ注意しておくべきことがあります。
テーマがWordPress公式のお墨付きになるための条件のひとつに「いろいろ余分な機能を持たせないこと」というのがあります。
なので、公式テーマは安心ですが、それだけでできることは限られています。いろんな機能をつけたければプラグインが必要です。
思いどおりに作ろうとしたらいきなり壁に当たる
たとえばWordPressで「ブログと作例のページとお知らせをそれぞれ別コーナーに分けて、それぞれを違うデザインにしたいな」と思ったら、もうテーマの改造が必要です。
テーマの改造には、PHPとHTML、CSS/Sassが必要です。
ウェブ素人にはなかなか高いハードルですね。
WordPressってよく聞くので、誰にでも簡単に使えるのかな?って思っているイラストレーターが多いけど、それはあまり正しい認識とはいえません。
大切なのは、ウェブサイトの「中身」
いくら「仕事の依頼が来るように考えられたテーマ」を使ったとしても、作品をただ貼り付けるだけで仕事の依頼がくるわけはありません。わかりますよね?
ウェブサイトは、その目的のために「どう作るか」が重要です。
WordPressテーマは「ガワ」というか「服」のようなものにすぎません。つまり、テーマを選んでインストールしたあとこそが本番であり、中身を作っていくことが重要ってことです。
そもそもなんのためにウェブサイトを作るのか
ウェブサイトを作りたいのって、なぜですか?
おそらくこれを読んでくれているあなたはイラストレーターないしはクリエイター系の人だと思うんだけど、作品を他人に見せて承認欲求を満たしたいだけだったら、SNSで十分じゃないですか。
なのにわざわざお金を使ってサーバーを借り、初めてのWordPressをインストールし、ウェブ制作のプロでもないのにわざわざウェブサイトを作ろうとしている。
ズバリ「仕事依頼をゲットしたいから」でしょう?
あんまそういうことを大っぴらに言いたくはないだろうけど、別にそれを恥ずかしいとか思う必要はない。私が今までコンサルティングやセミナーでお会いしてきたイラストレーターさんも、全員がその答えだったので安心してください。
「仕事依頼をゲットしたい」という目的があるのだったら、それにふさわしい作りかたというのがあります。
だから、WordPressテーマのおすすめを探し回るのはほどほどにして、中身の作り方を知るべきです。それが「仕事依頼ゲット」への近道です。
まとめ : WordPressで「仕事の依頼が来る」ポートフォリオサイトを作るには?
この記事でお伝えしたかったことは次のとおり。仕事の依頼や問い合わせが来るウェブサイトが作りたかったら、これを知っておいてください。
- クリエイター向けポートフォリオサイト用テーマを使うな。
- ビジネス用・会社サイト用として作られたWordPressテーマのほうがずっといい。
- 「イラストレーターの仕事の取れるポートフォリオサイト」を想定して作られたWordPressテーマがひとつある。
- ただし、テーマだけでは思い通りのウェブサイトは作れない。テーマは「服」のようなものにすぎない。
- 大切なのは、外見よりも中身。テーマを探し回るのはほどほどにして「作り方」を知るべき。
この記事でもご紹介したWordPressテーマ「いしつくポートフォリオ (ISTK Portfolio)」を使って、仕事の取れるポートフォリオサイトをWordPressで作る手順をイチから詳しく解説するnoteマガジンを作ってます。中身の作り方を細かく説明してます。ぜひチェックしてください。
WordPressを使って「仕事の依頼が来る」ことを目指してポートフォリオサイトを作る手順をこまかく解説したnoteマガジンです。 WordPressのプロであり、イラストレーターでもあるいしつく!代表が書きました。
「WordPress ポートフォリオサイト 作り方」と検索すればいくらでもブログ記事が出てきます。でも、WordPressのインストール方法やおすすめプラグインを知っただけじゃ、本当に望むようなポートフォリオサイトは作れません。
本当に大切なのはその先、「どう作るか」「どう活かすか」のほう。ここを間違えると、ただの自己満足サイトになってしまいがち。
そこで、WordPressを使ってサイト構築の手順を紹介しながら、「仕事の依頼が来るサイトにしたいなら、こう作る・こう書くべき」という考え方を合わせて解説するマガジンを作りました。
- 単なるオシャレサイトではなく、「仕事の取れるポートフォリオサイト」を目指して作ります
- 部位別、ページ別に作業レベルで解説しました。スクリーンショット多めでわかりやすい
- 記事ごとに対象部位が分かれているので、必要なところだけ読んであとは飛ばしてもOK
- 使用テーマはWordPress公式配布の無料テーマ。「仕事の取れるポートフォリオサイト」を作るために開発されたイラストレーター・クリエイター向けのテーマです
- ポートフォリオサイトから仕事依頼が来るようになれば、格安フリーランスを脱却して「選ばれるクリエイター」へ
- この先のクリエイター人生に末長く役立ちます
あなたも、WordPressで「仕事の取れる」ポートフォリオサイトを目指しませんか?
WordPressでポートフォリオサイトの作り方徹底解説