ビジネスのお話には必ずと言っていいほど登場する用語なんですけど、この用語の意味、わかりますか?
- B to B
- B to C
聞いたことくらいはありました?それとも初めて聞きました?ぜひ、知らなかった方はここで覚えておいてほしい。
さて、これがイラストサイトの作り方とどう関係があるの?じつは、イラストサイトを仕事に役立てたいなら、けっこう大事な話なんだ。
ビジネス・商売を分類する言葉
まずは言葉の意味から。
B to Bは「ビジネス・トゥ・ビジネス」の略で、日本語でいうと「企業間取引」です。一方、B to Cは、「ビジネス・トゥ・コンシューマー」の略で、日本語でいうと「消費者向けビジネス」です。
身近な商品は、B to Cのほうが圧倒的に多い。食品、服、携帯電話、赤ちゃんのオムツやシャンプー、資格を取るための専門学校……などなど。コンビニやスーパーマーケットの運営会社だったり、そこで売っている商品を作っている各メーカーは、だいたいは一般の人向けに商売してるわけです。
一方、B to Bがふだんの生活に登場することって、あんまりない。でも会社勤めをしている人だったら、わりといっぱい見ていると思います。例えば、レーザープリンターのリース会社とか、電話機の販売会社とか、印刷会社とか。
世の中にいろ〜んなビジネス・商売がある。それらを「お客様は誰なのか?」で分けたのがこの「B to B」「B to C」という用語なんです。
イラストサイトはB to B?B to C?
さてここから本題。それがイラストサイトとなんの関係があるん?
ここで、あなたにお尋ねしたい。
イラストレーターという商売は、B to B?それとも、B to C?
さぁ、どっち?
答えは、人によって違うかもしれません。たとえば、自分で描いたイラストの同人誌やポストカードを手売りしたい、というイラストレーターさんなら、相手は一般の人なので「B to C」です。
一方で、制作会社や出版社から依頼を受けて絵を描く仕事がしたい、ということだったら、あなたが企業に対してイラストを描くというサービスを提供するということなので、「B to B」です。まぁ、こんなふうに、ひとくちにイラストといっても分かれるところではあるんです。
だけど「イラストを仕事にしたい!」って言っている人、その人が望んでいる仕事って、ほとんどの場合B to Bの範疇を指しているんじゃない?というのが、いろんなイラストレーターさんのお話を聞いてみて思うことなんですよね。「B to C」的な活動ばかりしている人でも、本当は「B to B」をやりたいと思っているケースがすごく多い。
なので、イラストサイトは基本的にB to Bの用途で作るべき。なのですが……イラストレーターさんが自作したウェブサイトって、ほとんどの場合これがはっきりしていないんです。
個人のイラストレーターさんのサイトを100以上は見たと思いますが、あきらかにB to B用途で作られているな〜ってわかるイラストサイトって、3つか4つくらいしか見たことない。いや冗談じゃなく。
B to BとB to Cの特徴の違い
イラストサイトに限らず、なにか商売をするためのウェブサイトを作るときには、「B to B」と「B to C」の違いを意識しなくちゃいけません。なぜなら、両者はお客様の性質が明確に違うから。
というわけでビジネスの基本として、ちょっとしたテンプレみたいなもんなんだけど、次のようなことが言われています。カンタンにまとめますね。
B to Cの特徴
- 商品は誰もが使うもの。商品数は多く、価格が安い。
- お客様は、衝動買いをしやすい。買うかどうかを自分で決めるから。
- だから、インパクトが大事。衝動買いを誘うほど儲かる。
- だから、広告には有名人や、感情に訴えかけるようなキャッチコピーを使う。
B to Bの特徴
- 商品は専門的。商品数は少なめ、価格が高い。
- お客様は買うことを決めるまでに慎重に検討し、時間がかかる。時には上司の許可も必要。
- だから、まずは検討してもらうことが大事。衝動買いを狙っても意味がない。
- だから、製品パンフレットに情報をたくさん載せる。派手で奇抜な広告は逆に信頼性を損なう。
じゃっかん専門的な話に見えるんだけど、イラストレーターさんにもバッチリ当てはまる、簡単な商売のコツだと思ってほしい。特に「B to B」のほうね。イラストサイトだけじゃなくポートフォリオを作るときや営業術なんかにも効いてくるから、ホンワリでいいので覚えておくと役に立つよ。
イラストサイトで仕事をゲットしたいなら……
イラストレーターさんが、さぁウェブサイトを作ろう!と思い立ったときに、多くの人がこう思うみたいなんです。
「自分のイラストを見て楽しんでほしい!絵を楽しんでもらえるウェブサイトを作ろう!」
自分の作品で誰かを楽しませたい。何か感じてほしい。
それは、イラストを描く人として、クリエイターとしてごく当たり前と言っていい、自然な考え方だと思う。だからエンターページにでっかい絵を貼ったり、お友達リンクをつけたり、面白いデザインにこだわってみたりするんですよね。
でもね、これが仕事を取るのには逆効果だったりする。なぜなら、本来望む目的のほうを向いていないから。お客様となるべき人に、必要な情報を全然提供できてないことになってしまうから。
イラストの仕事を増やしたいって思って、一生懸命サイトの作り方を勉強して、いっぱい時間も使って頑張って、イラストサイトを自作した。なのにイラストサイトから仕事の問い合わせなんて全然来ないよ……ってイラストレーターさんのお声をよく聞きます。
そんなイラストレーターさんは、じつはここが間違っていたんですね。先ほど挙げた「B to Bの特徴」を踏まえられていない、ってわけ。
イラストが下手だとか、そういうことじゃない。本当に!
「絵を楽しんでもらおう」の概念じゃ仕事はゲットできないってこと。それを知らなかったってだけのこと。
というわけでイラストレーターさん、今日は「B to B」という用語を覚えて帰ってください。
さて、「じゃあ、仕事を取れるイラストサイトって具体的にはどう作ったらいいの?」って話になってくるわけですが、それはここで書ききれませんので、よかったらこれからもいしつく!ブログをチェックしておいてくださいね。それではまた!
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「ポートフォリオサイトで仕事依頼が来るって、ほんとにそんなこと可能なの?」
そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
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