ギャラ未払いに、著作権侵害。フリーランスが見舞われた仕事上のトラブルの話、ウェブ上でときどき目にしますよね。
もし自分が見舞われたときのために、ユニオン(労働組合)の存在を知っておくと便利です。フリーランスに労働組合?って思うかもしれないけど、フリーランスやイラストレーターが入れるのもあるんですよ。トラブルの解決に向けて手助けをしてもらえます。
でも、こうも思う。トラブルの解決は必要だけど、それだけじゃなくて、個々のフリーランス自身が「強さ」を身につけてかないとだめ。予防もしないと。セットでやらないと意味がない。
いしつく!を立ち上げるのにあたってはそんな思いも下地にあるので、今回は自分の話で恐縮ですが、綴ってみようと思います。ちょこっとおつきあいくださいまし。
以前、フリーランスが主に加入するユニオンに参加してたことがありました。そこにもトラブル相談チームがあって、常に数人のフリーランサーが相談を寄せていました。
相談チームには経験豊富な方がいて、支払わせるための交渉をどう進めたらいいか知恵を授けてくれたり、ときには話し合いや裁判に立ち会ってくれることもあったり、本当にすごく心強い存在でした。
私は運営委員としてその報告を毎月聴いていました。そういう心強い存在ですから、もちろんほとんどのケースは解決するのですが、残念なことに、せっかくアドバイスをもらったのに、その後なんにも行動しないフリーランサーてのも、少数ながらいるのです。
相手に何か要求するのはやっぱり怖いから、とか。めんどくさくなってやっぱり泣き寝入り、とか。中には相談員さんに対して(!)モンスタークレーマー化してしまう人さえいました。
トラブルは誰かがなんとかしてくれる、って感覚みたいです。
それではなかなか、フリーランスとしてこの先生きのこるのは難しいだろうなあ、と個人的に思ったものでしたよ。うんうん。
トラブルに遭うと莫大なエネルギーが奪われます。そしてフリーランスとして生きる以上、一回で済むとは限らない。ユニオンに頼れるところはもちろん頼ればいいんですが、かといって「丸投げしちゃえば大丈夫〜」てな方針では、体がいくつあっても足りません。実際、廃業していく人もいます。結局、トラブルに遭いにくくする体質づくりは不可欠なんです。
冒頭ではフリーランサーの「強さ」と書きました。筋肉を鍛えるときプロテインを飲むのに例えると、ここで一番効く栄養素は、ビジネスの知識です。
イラストを一生懸命描くだけではそういう筋肉って全くつかないんですよ。そこに気づいてほしいなという思いが、いしつく!を立ち上げたきっかけのひとつでもあります。仕事用のウェブサイトを作るのはとてもよい「筋トレ」になりますよ。
難しい世の中なので、誰しもつい、人のせいにしちゃいたいことはあります。業界の景気が悪いから仕事が少ない、とか。クラウドソーシングのせいで単価が下がりっぱなし、とか。もちろんある面では真実なんですが、そこでグチってても何も解決しない。
じゃあ、そんな世の中で自分はどう振舞っていくの?って常に考えつづけないといけない、それはイラストレーターの、というかフリーランサーの宿命なんだろうなあって思うんですよ。
「ほっといても仕事の依頼が来るようなポートフォリオサイト」を持っておけば、経験も増えていくわけで、お金の面でも安定するわけで、結局自分の身を守ることにつながると思うわけです。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »