イラストレーターさん、ブログってやってますか?どんな記事書いてますか?それって仕事のためにやってるやつですか?それとも個人の趣味ブログですか?
この記事は、イラストサイトを仕事に活用したいって人向け!そのためにブログはとっても大事な相棒なんです。でも、ブログを仕事に役立てるってどういうこと?何書いたらいいのかわからん!ってお思いの方も多いでしょう。そんな方にぜひ読んでみてほしくて書きました。
「ブログだけ」じゃなくて「セット」で
まず、前提のお話。ブログだけやってます、というのはちょっともったいない。お仕事の発展を願うなら、必ず「営業用サイト」とセットで持ちましょうね。
えー、「営業用サイト」って、なんだ?はい、それはですね、イラストサイトとかポートフォリオサイトとかプロモーションサイトとか言い方は色々ありますが、要はあなたがイラストレーターとしてどんなビジネスをしているか説明してあって、制作実績や料金表を掲載していて、問い合わせ窓口があるウェブサイト、のことです。
ブログにはブログの、営業用サイトには営業用サイトの、それぞれの役割があるんですよ。お互いを組み合わせると、仕事を引き寄せるための強力な工夫が可能になります。だから必ずセットで。ちなみにブログと営業用サイトは同じドメイン内にあるべきです。
日記を書かない
「○○カフェでランチしてます〜☆」
「今話題の○○博物館に行ってきました!」
写真と短いコメントだけの日記記事。仕事を引き寄せたければ、こういうのはブログには書かないようにしましょう。というか、なんかたぶんね、ちょっとした誤解があると思うのね。
それは、ブログは毎日書かなきゃいけないっていう誤解。芸能人のブログがそうですね。プライベートを切り売りするがごとく、1日に何回も投稿してましたよね。なので我々も真似すべきと思ってませんか?毎日書こうと思ったらネタがそんなにない!日記でもいい?ってことでそうなっちゃったり。
いいえ。あれがいい効果を生むのは、例外的に芸能人のような人気商売だけなんです。イラストレーターが仕事ブログでまねしてはなりません。我々には違うやり方が必要です。
どうしても日記ブログを書きたかったら、仕事用とは別にもうひとつ個人ブログを持つといいですよ。
心情吐露を書かない
これも芸能人ブログの影響なのかな。「実はとある方面に対して言いたいことが山ほどありまして……」みたいな一部の人にしかわからない怒りを込めた暴露とか、「最近色々あって疲れてます」とか「子育てに不安で」とか心のうちや悩みを仕事ブログに書いちゃう人がいます。
書いちゃいけないわけではないですが、そういうのはSNSの個人アカウントで、知らない人の目に触れないところでやりましょうね。ネガティヴなことを公共の場で(そうです、インターネットは公共の場です)で吐露しちゃう人に、仕事を頼みたいなんて奇特な人は少ないんじゃないかしら。他にもっといいこと書きましょうよ。
毎日書くより「良い記事」を
良い記事って、どういうの?それは、内容にオリジナリティがあって、文字数がそこそこ多い記事です。そこそこって?最低でも2000字、できたら3-5000字くらいでしょうか。あ、多すぎですか?
自分の考えを丁寧に書いてくと、あっという間にそれくらいの文字数にはなりますよ。オリジナリティのある記事を書こうとすると、必然的にある程度のボリュームになるんです。ちなみに無理やり文字数増やそーとかパクってこよーとかそんなことを考え出すと、光速でGoogle様に嫌われますのでお気をつけて。
あなたはイラストの専門家です。期待されているのは一般の人誰しもが書けるようなことよりは、もっと専門的なことです。
文字数が多いほうがいいのは、イラストサイト単体では上げづらい「被検索力」のためでもあります。文字数の多いページのほうが、検索エンジンがいい評価をつけてくれる可能性が高いんです。この観点から言っても、短い記事をたくさん書くより、数は少なくてもいいから内容が濃くボリュームのある記事のほうが有利です。
というか、理想的なボリュームで毎日書いてたら、イラストの仕事がおろそかになっちゃいます。無理しなくていいんですよ。
これは以前別業種のセミナーで聞いた話ですが、ある士業の方が1週間に一度記事を書いて、それを10ヶ月くらい続けたところ、売上が3倍になったらしいです。てことは、およそ40記事か。そんなくらいでも効果あるんだなーって思いました。
同業者向けのネタは避ける
ここまで読んで、こう考えるイラストレーターさんは多いと思います。「ならば、イラストの描き方をブログに書けばいいんじゃないか……?」確かに、良い記事になりそうな気がします。
でも結論から言うと、おススメはしません。仕事獲得に繋がりません。なんで言い切れんの?じつは私、それ、実行してた時期があるんです。自分の得意なAdobe IllustratorのTipsをいくつか書きました。それがある時バズって、数十万のアクセスを集めました。これだけ聞くとすごいでしょ?
しかしここからが本題。いちおうイラストサイトへの誘導リンクはあったのですが、そんなに読まれた記事にもかかわらず、その記事から仕事のお問い合わせが発生したことは、なんと一件もありませんでした(ちなみにそういうのはGoogle Analyticsを見てるとある程度わかります)。
まぁ、そりゃそうなんですよ。誰が読んでくれたのか考えてみれば。同業者、デザイナー、イラレ入門レベルの一般の皆様。私のお客様ではない人々です。同業者が仕事を依頼してくるわけないもんね。以上、自分の身を以って証明してみました。
もちろん、いい面はあるんです。ノウハウ記事ってシェアしてもらいやすいから単純にアクセスを集めやすいし、他のことに役立つ場合もあります。私の場合は、おかげでイラレの解説本を執筆することになりました。イラストレーターになるには?っていうテーマで書いているイラストレーターさんも多いですね。単に誰かのお役に立ちたい、っていうのもいいもんです。
ただ、最初から取り組むべきことではない。だって、もっと大切な目的はイラストの仕事を増やすこと、じゃないですか?そのために書くべき記事は他にある。まずそれをやって、それでも余力があったら同業者向けの記事も試してみてください。
お客様に宛てて書く
えっと、もう、正解を言っちゃいますね。イラストレーターさんが仕事を増やすためにブログに書くべきこと。それは、お客様に宛てて書くことです。
あなたの主なお客様ってどんな方ですか?私は出版社、制作会社、デザイン事務所などにお勤めの編集者さんやアートディレクターさんでした。まずはそれを思い浮かべます。そしたら、そのかたたちがイラストについて知りたいことってどんなんかな?って考えます。
思い出してください。今までお客様に、どんなことを聞かれましたか?
お客様は何らかの制作現場にいる人であっても、必ずしもイラストのことを全て分かっているわけではないんです。
ひとつ例を。「イラストを発注するときってどうしたらいいの?」って多くの人にとって知りづらい情報です。そこであなたが「イラストを発注する方法」というタイトルのブログ記事を書いたとします。
すると、それを知りたいと思っている人が検索で見つけてくれる可能性が出てきます。「イラストを発注する方法」を検索している人って、お客様になる可能性がすっごくありそうでしょ?そして、無事あなたの記事を見つけてくれて、読んでくれた。するとその人はあなたのおかげで取引への心配が少なくなるわけです。じゃあ、頼むならあなたにしようかな……?
これが仕事を引き寄せる近道です。ブログはそうやって使うんです。
先ほど役に立たないと言った「イラストの描き方」も、視点を変えればお客様のための記事にシフトしますよ。答えはあえて書きません。考えてみてくださいね。
批判されるのを恐れずに
ブログが人に読まれるようになると、ありがたいことに(笑)批判コメントをつける人が必ず現れます。
彼らはマウンティングがしたいんですよ。お前の記事はツッコミどころだらけじゃないか、それに気づいて指摘してあげる俺、すごい!お前よりも俺の方が偉い!って言いたいだけなんです。だから相手にしなくていい。叩きたい人って、叩く先を常にアンテナ張って探してます。だからどこへ行っても必ず現れます。道端にウ○コが落ちているのと同じだから、そういうもんだと割り切って!踏まないように気をつけて!
イラストレーターさんの中には、怖いから、当たり障りなく、自分の意見が混ざらない絵日記とかにとどめておこう……っていう人もいるけど、それはほんともったいないよ。みんなあなたの、イラストの専門家の意見を読みたいのに。どうか、思いや考えを恐れずに書けるようになってください。
実績紹介を書くときの注意点
「こんな仕事をしました!」って実績を披露する記事。これはイラストレーターさんの仕事ブログにはもちろんふさわしいネタで、よく見かけもしますが、もったいない書き方してるなって思うことも多いネタです。
それは、ほとんどのイラストレーターさんが報告だけで終わってしまっていること。より仕事に結びつけたいのなら、制作事例として書くことです。
例えば「XX出版の『世界一美味しいスコーンの作り方』っていう本の挿絵を担当させていただきました!」って記事を書くとして、ほとんどの人は「すっごく美味しそうで装丁もオシャレで素敵な本です!みんなも買ってね」で終わりですけど、それではお友達への報告なのか単なる自慢なのかわからない。そこで、仕事としてどうだったかという部分を膨らませてください。
すなわち、依頼の内容はどうであったか、クライアントがこだわっている点はなんだったのか、それに対して自分が工夫した点はあったのか、納期がどれくらいだったのか、納品してみて、発行されたあとお客様やエンドユーザの反応はどうだったのか、などなど。
こういう情報を盛り込むと、今後同じような内容の仕事を頼むかもしれない人に宛てて書いた記事に進化します。
ちなみに、値段だけは同じ記事に書かないほうがいいです。理由はちょっと説明が難しいので、またセミナーででも。
SNSでシェアするときの注意点
ブログで記事を書いたら、SNSでシェアしましょう。FacebookとTwitterくらいでいいと思います。Google+はGoogleさんだけに対検索効果があるという噂ですが、あくまで噂なので、まあ余裕があればしてもいいでしょう。
シェアするとき、どんなコメントつけますか?
ブログ更新しました。見てください。http://url……
こんな人結構多いんです。もったいない。これを変えるだけでも反応が変わってきます。どんな人に読んでほしいとか、記事のポイントなどを含めましょう。
あとはどのアカウントでやるか?という話。SNSの使い方は人それぞれですが、お客様と個人アカウントで直接繋がるのを避けたい場合、業務用のアカウントを持ち、そこでシェアしましょう。FacebookだったらFacebookページですね。
基本的に、お友達や同業者仲間にシェアしても意味ないですからね。お客様(または、なってくれそうな人)に届くにはどうしたらいいか考えてみましょう。
「アイキャッチ画像」を入れよう
アイキャッチ画像って何?それは、ブログの記事の先頭につける画像のことです。SNSでシェアした際の見出し画像になるよう設定されていることも多い。画像があったほうが読まれやすいことは広く知られています。
じゃあ、自作イラストを入れればいいのかな?えっと、まあ、それはそれで問題ないんですが、記事の内容と関係のないイラストを入れないでください。写真のほうが記事の内容にふさわしいと思ったら、そうすべきです。例えば「○○という図鑑にイラストを提供しました」っていう紹介記事なら、書影のほうが意味が通りますね。そういうことです。できたら、書影と提供したイラスト、両方写っているといいんだけど……。
イラストレーターさんの工夫の見せ所、でもありますね!「こんな記事にはどんな内容のイラストをつけるべきか」って思考のチャンスです。特に経験が少ない方にとってはいい訓練になるはず。あえて自作イラストで挑戦するも良し。
まとめ
この記事でお伝えしたかったポイントは次のとおりです。
イラストレーターさんが仕事を引き寄せるためのブログのやり方。
気をつけること
- オリジナリティのある、そこそこ長い記事を書く
- 批判を恐れない
- SNSでのシェアの仕方を工夫する
- アイキャッチ画像は記事の内容に沿ったものを
ブログに書くべきでないこと
- 日記や心情吐露
- 同業者向けの話
ブログに書くべきこと
- 実績紹介(ただし制作事例のひとつとして)
- お客様の役に立つこと
仕事を引き寄せるために!イラストレーターさんがブログに書くべき、5つの記事タイトル
さて、いろんなアドバイスを挙げてまいりました。ただし、実行していただかなきゃ意味がありません。でも「お客様に向けて書け」って言われても、何書いていいかわかんないよ〜!という方のために、あらかじめ5本の記事タイトルを考えておきました!
タイトルは丸パクリしていただいて結構、書き方の説明ももちろんありますよ。
続きはnoteで読めます。気になる方はチェックしてみてくださいね。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »