レンタルサーバーを選ぶときのポイント 【イラストレーター・クリエイター向け】

イラストサイト・ポートフォリオサイトを作ろうと思っているイラストレーターへ。レンタルサーバーの選び方にあたって、気にしておくべきポイント、選ぶときに考えたほうがいいことなどを教えます。

これを書いている人はイラストレーターでもありウェブ制作のプロです。ウェブ「デザイナー」ではなくて、サーバーのことやプログラミング、ウェブ活用のコンサルティングをする人。なので、そこそこ参考にしてもらって大丈夫です。

おすすめレンタルサーバーは別記事でお伝えすることにして、ここでは、客観的にみて、選ぶときどういうところを気にしたらいいのかな? って話をします。

そもそも、レンタルサーバーを借りた方がいいのか、それともサイト作成サービスを使ったらいいのか

先に前提の話ですけど、ポートフォリオサイトを作る方法はどうすべきなのか?! という話について。

  • レンタルサーバー+WordPress にすべきなのか
  • それとも、ウェブサイト作成ツール/サービス (ジンドゥーとかカラーミーとか) で作った方がいいのか

結論だけいうと、どっちでもいいです。ただし、「無料ブログ」と「無料サイト」は使うな。無料ブログってのはAmebaなどのこと、無料サイトはジンドゥーやWixなどの無料プランのこと。理由や選び方については「いしつく! の教科書」で解説したとおり。まだの人は読んでみてね。

それで、レンタルサーバーが必要な人ってのは、WordPressなどのCMSを使う!または、HTMLを書いてページを作る! って決めた人。後者は今はあんまりいないかもだけど。

サイト制作ツール (ジンドゥーなど) の話や、メールサーバーだけ必要な人については別の記事で解説します。

基本的な、レンタルサーバーの選び方

レンタルサーバーを選ぶときは、一般的にいって、次のようなことをチェックして決めます。

  • サーバー性能が用途に対して充分であること (スペック、ディスク容量)
  • メール、データベース、サブドメイン設定など必要な機能がついていること
  • (WordPressを使う場合) PHPとデータベース (MySQL) のバージョンができる限り新しいこと
  • SSL (サイトアドレスが https〜 になる設定) が料金内で使えること
  • WAF、サーバーバックアップなどが使えること
  • サポート対応の種類や内容 (メール、電話、チャットなど、プランによって違うことがある)

……っていってもこれだけじゃよくわからないと思うので、ここからは個別に解説していきますね。

ディスク容量はどのくらいあったらいいのか (気にしなくてOK)

レンタルサーバーの料金表にはかならずディスク容量が書いてある。で、多ければ多いほどいいよね? って思うかもしれないけど、ここはあんまり気にしなくていいです。

というのも、ふつうの使い方をしている限り、ディスク容量が足りなくなることってほとんどないから。むしろめっちゃ余ります。

個人イラストレーターの「ふつうの使い方」をシミュレーションしてみると、だいたいこんな感じ。

  • ウェブサイト 1個……WordPressで作ったとして、多くて1GBくらい
  • データベース……記事本文とか、主に文字データが入ってる。多く見積もって500MBくらい
  • メール……数年間削除しないで溜めに溜めたとして、3GBくらい

というわけで、合計して5GB以内。もし複数サイト、複数ドメイン、複数メールアドレスを持ってたとして、10個で50GBってとこ。

有名なレンタルサーバーのプランを見てもらったらわかるとおり、いちばん安いプランでも100GBとかあることが多いので、足りなくなることはまずないって思ってもらって大丈夫です。

「ふつう」じゃない使い方をしていればこの限りではありませんが。

サーバースペックが高ければ高いほどいいのか

これも結論からいうと、そこまで気にしなくていいです。そこまで高性能で高額なプランは必要ありません。ほどほどでいい。

ウェブサーバーはスペックがいいほどいいのはたしかです。たくさんのアクセスをさばけるし、ページの表示速度を速くできる。すると、たくさんのアクセスが来ても耐えられるし、見ている人にもストレスを与えない。またページの表示速度は近年はSEOの重要な要素でもあります。

では、サーバースペックが高ければ高いほどよいのか、といわれると、今度はお値段の問題があります。スペックの高いサーバーほど高額です。本気を出すなら月数万円の専用サーバーもあります。でも、そこまでやる意味ある? って話です。

イラストレーターや個人クリエイターのウェブサイトは、ビジネスの性格上、「アクセス数をガン上げすればするほど仕事が来る」とは、なりません。「いしつく! の教科書」を読んでくれた人はすでにご存知だと思いますが、イラストサイトを正しいやり方で作るかぎり、比較的少ないアクセスでもまともな仕事が来ます。

ということは、めちゃくちゃいいスペックの高額なサーバーを契約しても、お金がもったいないだけってことになってしまいます。まずは安めのプランを契約して、あとで足りないと感じたらそのときアップグレードすればいいよ。

「もともと思っていた予算よりも少しだけ高いけど、よりスペックのいいプランがある」というときは、ちょっと悩んでみてもいいかも!

SSD/ハードディスクはSSDを選ぶべき?

可能ならSSDのを選んだらいいけど、こだわるほどでもないかな。

レンタルサーバーというのは、要はみんなが使っているMac/PCと同じようなもので、CPUとかメモリとかハードディスクが入ってるんです。

コンピューターでも「ハードディスクよりSSDのほうが速くていいですよ」っていいますね。レンタルサーバーのスペック表に書いてある「SSD」もそれと同じことで、「SSDだからサクサク動きますよ」っていうアピールなんですね。

ハードディスクにするとサイトの表示が極端に遅いってわけでもないし、手元のパソコンみたいにディスクの回る音がして困るわけでもない。あればSSDで、くらいの感覚でOKです。最近はSSDが主流みたいになってきていて、全プランSSDというサービスもあります。

SSL (https://〜) は必須なの?

SSLは「絶対に必須」って思ったほうがいい。

有料オプションではなく、料金内でできることを確認しよう。ほとんどのレンタルサーバーにはついているけどね。

SSLというのは、ウェブサイトのアドレスが「https://〜」になる設定機能のこと。難しくいうと「サーバーとクライアント間の通信を暗号化する技術」です。セキュリティ面とSEO的な観点の両方で必須です。

ウェブサイトのアドレスが「http://〜」になっていると、ウェブブラウザが警告を出してくるので、訪問者は快適に見られません。「安全でない通信を使って何かしようとしているのでは」って疑われちゃうわけですね。またGoogleも、SSLが効いているかどうかは検索結果の判定に含まれることを公表しています。

PHPとデータベースのバージョンってどういうこと?

WordPressを使いたいなら、レンタルサーバーには

  • PHP (プログラミング言語を動かすもの)
  • MySQL (データベースを動かすもの)

の両方が入っていないといけません。

PHP、MySQLもそれぞれアプリの一種なので、バージョンがあります。それができるだけ新しいものが入っている (選べる) レンタルサーバーがいいです。

WordPressの側にも、「このバージョンのPHP、MySQLを使ってください」という指示があります。その要件はここに書いてあります↓

WordPressは基本的に最新バージョンのみをサポートするので (古いバージョンを使って何か起こっても知らないわよ? ということ)、常にアップデートしながら使わなくてはなりません。WordPressのバージョンが新しくなるとPHP、MySQLの要求バージョンも新しくなっていくので、そこに対応してくれるレンタルサーバーがいいです。

自動バックアップ機能はあったほうがいいのか

自動バックアップ機能はあったほうがいいと思います。

「自作サイトで、いろいろいじるから」っていう理由のほかに、悪意のある改ざんに備えるためです。

イラストレーターがウェブサイトを自作するとき、いま多くの人がWordPressを選ぶと思います。WordPressとは (ほかのCMSもそうだけど)、その実態はサーバー上に置かれたプログラムの集まりです。だから、改ざんして悪事を働くのに利用されてしまうことがあるんですね。

また世界中の半数以上のウェブサイトがWordPressで作られているので、WordPressはとくに狙われやすい。個人サイトも小規模サイトも例外なく狙われます。

そういうことが起こってしまった場合、自動バックアップがあれば、健全なときの状態に戻せます。

もし自動バックアップ機能がないプランを選んだ場合は、WordPressプラグインでバックアップ機能を持たせるものを探してみよう。ただしこれはサーバー全体ではなくWordPressの中だけバックアップするもので、サーバーのバックアップ機能の完全な置き換えになるわけではない。

WAFってなんですか? あったほうがいい?

WAFは「ウェブアプリケーション ファイアウォール」のこと。ウェブ上で動くアプリ・プログラムが、悪意ある攻撃に利用されていないかチェックして守る機能のことです。

WordPressを使うのだったら、WAFが使えるサーバープランを選んだほうがいいです。前述のとおりWordPressはプログラムのかたまりで、常に狙われているので。

ただしWAFは使いこなすのにちょっと情報収集がいるかもしれない。WordPressのプログラムの正常な動きが攻撃だと勘違いされることがあるので、設定には気をつけたほうがいいんです。マニュアルの充実したレンタルサーバーだとこの点ありがたいですね。

電話サポートもいいけど、マニュアルの充実度をチェックしよう

レンタルサーバーの電話サポートはあると安心です。私くらいになるとほとんど自力で解決しちゃうんだけど、仕事でかかわってたデザイナーさんとかはよくサーバー会社の電話やメールのサポートに助けてもらってましたね。

ただ、ぶっちゃけた話、問い合わせに対応してくれる担当の人がどれくらい技術に詳しいかっていうと、わからない、人によってまちまち、ってのが経験則からいえる正直なところ。

だもんで、レンタルサーバーを使う側としては、マニュアルやFAQが充実しているかを重視したほうがいいと思ってます。慣れると、FAQを読んでいくだけで解決できることも増えてきますよ。

ちなみに、サービス内容とか契約に関することは気にせずどんどん問い合わせましょう!

おすすめレンタルサーバー

以上、レンタルサーバーを選ぶときにチェックするべきこと、解説してみました。レンタルサーバーってサーバー会社もいっぱいあるし、プランもそれぞれにいっぱいあるし、どれ選んだらいいんだろう??? って人も多いと思います。

とくにイラストレーターや個人クリエイター向けのおすすめレンタルサーバーってどんなの? という話を別記事にまとめたので、良かったらこちらも読んでみてね。

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いしつく! の教科書 [改訂版]

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