自分の話をするのはあんまり好きじゃないんですけど、でも、この話はイラストレーターをめざしている方のどなたかには役に立つだろうと思い、私が開業した時の話を書きます。
いしつく!の代表は元々イラストレーターです。
キャリアは10年をちょっと超えるくらいです。
開業したとき、コネとか全くありませんでした。同業者の知り合いもゼロでした。だからぜんぜん仕事がない。
まだSNSもない時代。
実地の営業をしようにも、しょっちゅう東京に行けるわけでもない。
滑り出し順調!→悲しい……
で、どうやって仕事を取ったかというと、ひとつは、電話営業。
出版社とかに電話をかけまくって、反応があったらポートフォリオを送るってやつです。
もうひとつは、ウェブサイトをつくること。
イラストの紹介と、問い合わせフォームをつけたやつ。
ウェブ制作会社での勤務経験があったので、なんとかできました。
しばらくして、運良くひとつの仕事が舞いこんできました。
ある広告代理店さんから、食品の紹介リーフレットのイラストを依頼されました。
とっても嬉しかったんですよー!なんのコネもない自分に!
一生懸命、その仕事をこなしました。とっても誇らしかったです。
でも、次に来た依頼に私は愕然とすることになります。
ある飲食店からのものでした。
店内に飾る絵を描いてほしい……ボランティアで。
今思えば腹立たしい話ですが、こういうもんなのか、と思って引き受けてしまいました。その後しばらく、ボランティアや格安、無茶振りの仕事に悩まされることになります。
とっても悲しかったです。
ネットショップに学んだこと
ちょうどその頃、ネットショップの運営会社で制作のバイトをすることになりました。そこで学んだことがのちのちまで役立つことになります。
ショッピングサイトのお客さんって、情報を自分の都合のいいようにしか解釈してくれないもの。もちろん悪気なんかないんです。人間の心理的にそうなんです。
条件や説明書きを読んでくれてないなんて、しょっちゅうです。だから作り手は文言の書き方や誘導の仕方に非常に気を配ります。そうじゃないと商売にならないんだから!
それは、ネットショップの人らにとっては当たり前のことなのでした。
それで気づいた。あれは、私のウェブサイトの作り方が悪かったんやな〜と。
ボランティアで描けって言ってきた人は、私を素人だと思ってたんでしょうね。
単に絵の好きな人が人に見せたくて公開しているだけなのか、仕事としてやっているのか、私のウェブサイトを見ている人には、どっちだかわからなかったんです。
言ってみりゃ、残念なオファーを引き寄せたのは、他ならぬ自分なんです……!
イラストサイトを試行錯誤した結果
それで、私はイラストサイトを作り直しました。
そしてその後も、問題を見つけるたびにリニューアルや作り直しを重ねました。
ウェブ制作やマーケティングについて勉強し直したり、いろんなノウハウを試したりもしたので、ずいぶん遠回りしたと思います。
そんな紆余曲折・試行錯誤を繰り返したあげく。
気付いたら、ボランティアでイラストを描け、なんてオファーは一切こなくなってました。
そのかわり、日本人なら誰もが知ってるような有名媒体や、大手出版社からのお仕事が中心になってました。
「そういう仕事がどっから来るの?」
とお友達からは不思議がられますが、ほとんどぜんぶ自分のイラストサイトからです。実地の営業もほぼしなくなりました。
以上が顛末です。
イラストレーターさん、あるいは目指している人にぜひ、言いたい。
たかだかイラストサイト、って思わないで。
ウェブサイトをきちんとつくると、いい仕事もお金も引き寄せられるんですよ。
私の10年がその証拠なんですけど、分かってもらえたら嬉しいなあ。
あなたにもできるよ!
ところで、こう思われたかもしれません。じゃあ、これからイラストレーターになりたい方、あるいはイラストレーターさんでウェブサイトをあんまり活用していない方が、「私にも同じようにできるの?」って。
それはね、できると思います。思います、っていうのは、ちょっとした条件があるから。
前述の通り、ある期間、ウェブサイトについてホントにいろいろ試行錯誤しました。だからって、私と同じような試行錯誤をしたら、あなたにも大手の仕事が来ますよ!……って言うのはコクだと思うんです。私はウェブ制作の下地が元々あったからできたんだし。
そこで考えたのがいしつく!でした。イラストレーターさんがイラストサイトを作ろうとするとき、わからないことがいっぱいあると思います。でも、すでに「いろいろ試行錯誤」を済ませたイラストレーターが実際にここにいます。どう作って何をしたら仕事に結びつきやすいか、そのノウハウはすでにあるんです。
だからその結果をよかったら利用しませんか?というのがいしつく!のコンセプトです。イラストを描くのが好きだからイラストレーターになったはずですもの。イラストサイトの作り方に悩む時間はもったいない。その時間はイラストを描くのに充てて欲しいんです。
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目次 & 概要
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