バーチャルオフィスとは。住所を公開したくないフリーランスイラストレーターにおすすめ

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フリーランスイラストレーターのための仕事依頼がくるポートフォリオサイトの作り方を伝授している、いしつく!です。

いつもイラストレーターへのアドバイスとして、信頼を得たいなら本名を名乗れ、名刺には電話番号や住所をきちんと書け、と言ってます。

でも住所の公開はちょっと抵抗がある、という人はバーチャルオフィスというものを使えばいいよ。それってどういうもの? というあたりをこの記事では説明します。

Topntp26 – jp.freepik.com によって作成された background 写真

説明すっ飛ばしておすすめのバーチャルオフィスを知りたい人はこちら。

フリーランスイラストレーターは住所や本名を公開すべきなのか

はい。住所と本名は公開すべきです。もし仕事の依頼が欲しいと思っているなら。

なんでかっていうと、信頼を得るのに必要だから。変なペンネームを名乗っていて本名もわからず、どこに住んでいるかもわからない自称イラストレーターなんて、企業の人から見たら「いつ逃げられるかわかったもんじゃない」、とてもじゃないけど責任ある仕事なんて依頼できません。

住所を公開するのに抵抗がある←まあわかる

とはいえ、ですよ。住所を番地まで公開するのはちょっとなぁ、という気持ちもわかります。

実は私も過去にそう思うタイミングがあって、バーチャルオフィスを契約しました

一人暮らしの時は、まあ何があっても自分で責任取ればいいや、って思っていたので自宅マンションの住所をふつうに公開してたんですが、これが家族と暮らすことになると、もしかしたら何かで迷惑をかけることがあるのでは…と思えてしまい。具体的に何かあったってわけじゃないんですけどね。

住所を公開するのが怖いなら、事務所を借りればいい

住所を公開するのが嫌なら事務所を借りればいい。古今東西、事業主ってのはそうしてきたんですから。

実際、自宅とは別に事務所用に部屋を借りてるってイラストレーターもいますよ。物件を探してみても地方だと家賃3〜4万とかでも十分あります。最近のご時世でテレワークがメジャーになったせいか、単身者用のマンションだけど事務所用に使ってもいいよって物件なんかもよく見かけます。

とはいえ、物件借りてわざわざそこ行って仕事するかなあ?って考えると、私の場合は「結局家で仕事してそう」って話になり。

じゃあバーチャルオフィスでいいんじゃないの?という結論に至りました。

バーチャルオフィスとは?

仮想の事務所、という日本語訳の通り、事務所のような機能が提供されるサービスです。打ち合わせ用の会議室が使えたり、電話や郵便物をそこの住所で受け取ったり。事務所機能を客が共有するサービス、とも言えるだろうか。

よく混同されるけど、シェアオフィスってのは事務所を間借りするサービス。コワーキングスペースってのは契約者がひとつの空間で仕事する場所に参加できるサービス。

バーチャルオフィスは必ずしもそこへ行って仕事するわけじゃなく、機能だけを借りるサービスです。だから物件そのものを借りるよりずっと安い

バーチャルオフィスを契約するとできること

バーチャルオフィスを契約すると、だいたいこういうことができます。ただし内容はサービスによって違ったり、オプションだったりもしますよ。

  • バーチャルオフィスの住所を自分の名刺やウェブサイトに記載できる
  • その住所で郵便物や宅配を受け取れる
  • そこの電話番号で電話やFAXを受けられる (有料オプションであることが多い)

あと、サービスによってはこんなのもあります。

  • 打ち合わせ室、会議室が使える
  • コワーキングスペースが併設されてる
  • 契約者同士の交流会がある(契約者は大体起業家とかフリーランスだから)

バーチャルオフィスのメリットは?

自宅の住所を公開する必要がなく、安価で便利なバーチャルオフィスですけど、なかでもこういう部分が特にありがたいって思います。

住所が素敵 = 信頼につながる

私が契約しているバーチャルオフィスがそうなんですが、都会の一等地にあります。その住所を名刺やメールの署名に入れてあるわけですけれども、それを見たお客さんから「すごくいい場所に事務所を構えていらっしゃるんですね!」という反応がたまにあります。

「いやいや、バーチャルオフィスなんですよ〜」って訂正するんですけど、とはいえ、都会に事務所構えてる = 少なくとも片手間でやってるイラストレーターとは違う、っていう第一印象をもってもらったのは確かです。こういう部分を軽視してると仕事依頼って増えません。

会議室(打ち合わせ室)は便利

私が契約しているバーチャルオフィスは会議室が付属しているのですが、立地がいいおかげで、仕事の打ち合わせに来てもらうことが格段にやりやすくなりました。

都会だったらどっか喫茶店で打ち合わせってこともあるけれど、行こうと思ってた店が混んでて右往左往した経験って誰しもあると思います。それがなくなった。

自宅が引っ越してもお知らせ不要

自宅が引っ越ししても、バーチャルオフィスの利用を続けるのだったら、顧客へのお知らせが要りません。

もしかなり遠方への引っ越しだったとしても、日本国内なら郵便物はふつうに届けてもらえるので、会議室だけ諦めて契約続行してもいいわけです。実物の事務所を借りるのとは違うからこそそういう使い方もできます。

FAXを受けられる

地味ですけど……私が使っているバーチャルオフィスでは、FAXが届くとPDF化してメールで送ってくれるシステムがついてます。自宅にFAXがなくなって久しいので、たまーにしか使わないけど何気に便利です。

バーチャルオフィスの使いにくいところ(デメリット)

私はバーチャルオフィス使ってよかったと思ってるけど、使いづらい部分があるとすればこういうところ。

地方都市全てにあるわけじゃない

私は大阪近郊在住なので、バーチャルオフィスは大阪にいくつかあって選べます。東京在住の方ももちろんそうでしょう。

ただ他の都市ではどうでしょう。札幌、名古屋、福岡くらいならまだしも、県内にまったくないって場所もまだまだありそうです。

自宅からあまりに遠い場所を借りると打ち合わせに使えないし、宅配料金も高くつくのであんまり、ですよね。

郵便転送料がバカにならない

バーチャルオフィスにとどいた郵便物は自宅へ転送してもらうか、自分で取りに行くかして受け取ります。

サービスによりますが、この郵便転送の時には送料の他に手数料を取られます。これがバカにならない値段になることがあります。送料自体だって、最小サイズになるように梱包してくれるかどうかもスタッフ次第ですしね。取りに行く手間が省けたと思えばいいんだけど。

できたら、郵便転送料が安いもしくは無料のところを選ぶといいかも。

会議室の予約制・ポイント制

会議室は予約制なので(共用だからそりゃそうですね)、急な打ち合わせには使えなかったり、ドタキャンでポイントが無駄になったりします。まあこれは、そういうことが発生しない仕事の進め方しようなっていう教訓かもね…

信頼性の面ではやっぱり現実の物件に劣る

個人事業のクリエイターだったらたぶんあんまり問題にならない。ただし、法人成りしたり会社を興してバーチャルオフィスを利用すると、ちょっとだけ問題になります。

バーチャルオフィスが普及してきたのはいいんだけど、おかげさまでイヤな話、意識低い利用者や犯罪者の利用も増えてるんだそうです。なので銀行口座を開いたり、何かのビジネスサービスを契約したりするときに、審査が普通よりややこしかったり、最悪断られたりとかもある模様。物件を借りて事務所にしておけばこういう面倒にはあわないですね。

フリーランスイラストレーターはバーチャルオフィスを契約できるのか?

バーチャルオフィスを利用しているのは、小さい企業や個人事業主/フリーランサーが中心です。もちろんフリーランスイラストレーターも使えるし、実際に私も契約したよ。

ただし、開業届は出しておいたほうがいいと思います。私は契約の時に、たしか開業届のコピーを提示したか、提出した税務署の名前を聞かれたか、どっちかあったと思います。ちょっとうろ覚えですけど。

審査方法はサービスによって違うけど、基本的にはバーチャルオフィスの側も事業の実態がちゃんとある人と契約したいはずなので、何らかの証明書を求められることはあるんじゃないかな。

バーチャルオフィスの契約料金

これはサービスやオプション内容によって違うので一概にはいえないけど、ざっくり目安を挙げると、フィットネスジムと大体似た感じ。

利用料は月5,000円から15,000円あたりが中心で、加えて入会金がかかることが多いです。

実際にバーチャルオフィスを使ってみてどうだったか

私はバーチャルオフィスを、結局10年近く利用してます。メリットもあればデメリットもあるけど、なんやかんやで便利なので、将来人を雇うような業態に変わるまでは、もう少し利用し続けるんじゃないかと思います。

会議室や打ち合わせ室も、いしつく!のコンサルティング(カウンセリング)でイラストレーターさんに来ていただいたりもしてました。もちろん制作業のほうのお客様との打ち合わせにも使いましたし。好評でしたよ。

「住所を公開したくない」って最初の目的が満たせただけじゃなく、都会の一等地のインパクトある住所が使えたのも、商談会なんかで効いてたと思います。

良いバーチャルオフィスを選ぶには

どういうバーチャルオフィスを契約するのがいいか、選び方のポイントを挙げます。

  • 使いたい場所にあること(これは基本)
  • オプションをしっかりチェックする
  • 契約審査がきっちりしてること

住所をコロコロ変えることになってはあまりよろしくないので、できれば最初に決めたところが長く続くように。内覧できるところはしたほうがいいですね。

バーチャルオフィスはどこも似たようなサービスっぽく思えますが、Aでは料金込みの機能がBではオプション、ってことは割とあるので、内容をしっかりチェックしてから決めましょう。

審査については、安さばっか求めるのではなく、契約審査をしっかりやってるサービスを選ぶのが大切。同じバーチャルオフィスの他の契約者が犯罪起こしたりすると、住所の一部を共有するせいで、全く無関係の私が「怪しい」と見られるようなことがあり得るそうです(口座や調査とか)。つまり「怪しい利用者とは契約しない! キッパリ」というバーチャルオフィスがいいのです。

おすすめのバーチャルオフィス

地方在住の人におすすめ Karigo(カリゴ)

2006年と比較的古くからあるサービス。犯罪や身元偽装への対策はかなり強化しているそうです。

東京・大阪だけでなく札幌、仙台、千葉、埼玉、京都、福岡、那覇などにも店舗があるので、「バーチャルオフィス持ちたいのに東京しか見つからない! (怒)」っていう人はいちどチェックしてみてください。

京都朱雀スタジオ

こちらは京都のバーチャルオフィスです。安さでいうとこのサービスが圧倒的です。さらに、納税地を京都に変更するとさらに半額という、ちょっと驚きの安さです。

なんでそんなに安いの? と思いますが、京都朱雀スタジオは一般の営利企業とは若干違う立ち位置が特徴です。運営しているのは和文化推進協会という一般社団法人で、ハンドメイド作家を中心にクリエイター支援活動を行なっている団体、ということです。京都市の企業誘致活動「京ワーキング」に連携しているそうなので、納税地移行割引は多分その関連ですね。

京都在住以外の方でも、クリエイターとしての住所は京都にある、っていうのもアリかもしれません。

レゾナンス

こちらは東京限定ですが、渋谷、銀座、浜松町、新宿の住所が持てるバーチャルオフィスです。

半年払い、一年払いを選択するとさらに安くなるというありがたいシステムもあるので、大変使いやすいサービスです。

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