イラストレーターになりたいあなたに、知っておいてほしい10のこと。

「イラストレーターになりたい」って言っているけど、なぜかはっきりとはイラストレーターを名乗れないあなたへ。

そんなあなたに、世間はいろんなことを言います。イラストレーターなんて選ばれた人間にしかなれない職業だとか、大人はみんな夢をあきらめて生きているもんだとか。本当のところはどうなの?とあなたも思っているかもしれません。

私はあなたに対して、どうか勇気を出して!とも、ここであきらめてしまえとも思っていません。ただ、「イラストレーターになりたい」と言っている人に世間がかける言葉について、実際にイラストレーターである私からはどう見えているのか、それをお伝えしたいのです。

1. 芸大・美大を卒業しなくてもイラストレーターになれます。

私が仕事を請けるとき「美大出身だからあなたに頼みます」なんて言われたことはただの一度だってありません。いしつく!のメンバーであるイラストレーターさんにも美術学部出身でも専門学校卒でもない人はいますが、はっきり言って活躍してます。

たしかに、学校で課題と格闘した経験は仕事に立つでしょう。でも実際には課題と仕事はかなり違うものです。

デッサン力を獲得するために美大へ行くべき、という意見も謎です。別に独学でもデッサン力はつけられるし、そもそも、デッサンが苦手なら自分の勝負できる画風で商売をすればいいからです。

2. ひたすら絵を発表し続けてもイラストレーターにはなれません。

イラストレーターになりたい!と思い立った人の多くは、SNSで自作イラストを公開していいね!をもらったり、知り合いのカフェでプチ展覧会をしたり、ポストカードを売ったりします。

一般の人にいくら絵を見てもらっても、仕事のチャンスはやってきません。仕事の依頼を得るのにもっと有効な方法は、開業届を出し、ウェブサイトを作り、営業活動をすることです。

3. 「一握り」以外でも食っていけます。

「イラストレーターとして食っていけるのは才能ある一握りの人間だけだ」。他人にそう言われてご立腹のあなたへ。そやつに一矢報いる方法を教えます。
「じゃあ、その一握りって誰のことなの?」
って聞き返してみてください。多分、手塚治虫か鳥山明かピカソ?ってどもりながら答えると思います。ほとんどの人の認識なんてその程度です。

世間は誤解しています。イラストレーターという職業は基本的に裏方です。名前が知られたスターのほうが特殊なのです。あなたもその人も私たちの名前を知らないでしょうが、私たちはちゃんと生活しています。そしてたぶん私たちの描いたイラストをあなたも一度はどこかで目にしたことがあるでしょう。

4. 高校を卒業したらすぐイラストレーターになりたい?起業って言葉知ってる?

高校を卒業してすぐにイラストレーターになりたい、と言っているあなたへ。そう言うからには、起業の知識はあるんですよね?経営の基礎、経理、営業、ビジネスマナーも、大人の世界に通用するくらいには良くご存知なんですよね?
自信を持ってYesと言えるならおやりなさい。

「イラストレーターになる」とは「フリーランス(個人事業主)として起業する」と(例外もあるけどほぼ)同じこと。いちど就職して、世の中のビジネスというものをある程度理解し、お金を貯めて、それから起業するのがいちばんの近道です。

5. アートイベントやコンテストは、遊びと割り切って。

アートイベントやコンテストに一生懸命参加し続けても、あなたがうっすら願っているようなことはほとんど起こりません。イベントは楽しむためのものです。

仕事のチャンスが欲しいなら、コンテストやイベントより、ポートフォリオを作って営業に行きましょう。腕試しのつもりなら、そのほうがずっと有意義です。

6. イラストレーターになりたいなら、ビジネスマンになれ。

イラストが無茶苦茶上手ならばそれだけでイラストレーターになれるのかというと、なれません。でも、逆はあります。イラストはそこそこだけどビジネスが上手な人は、イラストレーターとしてやっていけます。

イラストの描き方の勉強は、放っておいてもあなたはするでしょう。むしろあなたにやってほしいことは、ビジネスの勉強です。ひとまずは本屋のビジネス書のコーナーへ行って、その棚にある本を10冊くらい買って読んでください。

7. 「コミュ障」「人見知り」は今すぐ捨てよ。

イラストレーターになりたいのだったら、人見知りを自称するのは今日で終わりにしてください。

イラストレーターにはコミュ力が必須です。なぜなら、依頼主にインタビューして要望を掘り起こせなければ、イラストの仕事は成り立たないからです。フリーランスなら営業も金銭の交渉も自分でできなくては生きていけませんし、内向的な性格のせいにしてみたところで誰も助けてはくれません。
「あまり人と交流しないでイラストばかり描いていたいから」という動機は、期待を裏切られることこの上ないでしょう。

8. 才能がどうこう言う人の話は聞くな。

「キミには才能がないんじゃないか」と言われても、けっして落ち込まないでください。「キミには才能があるね!」と言われても、あまり舞い上がらないでください。なぜなら、その人らはどちらも、おそらくあまりイラスト制作のことを知らないからです。

その能力はある日突然おぼえた魔法でも、天から与えられたギフトでもありません。あなたが経験と努力と訓練の結果で得たスキルです。クリエイティブな仕事に携わっている人はそれを知っているがゆえに「才能」という言葉を軽々しく口にはしないものです。

9. 年齢は関係ないようで、実はある。

チャレンジには年齢なんて関係ありませんが、イラストレーターとして生きやすい年代はあるかもしれません。イラストレーターの主な発注元となる制作現場で働いている人は、多くが20代後半から40代くらいです。

制作会社は、若すぎて世間を知らなさすぎるイラストレーターなんて相手にしたくないでしょう。親ほど年上の人を下請けとして使うのも心理的に厳しいものです。いずれにせよ、その人ならではの信頼や強みが要求されるのです。

10. 開業届を出そう。

「イラストレーターになりたい」がたった一日で叶う方法があるとしたら?それは税務署に開業届を出すことです。
イラストレーターさんのための「開業届」の出しかた – いしつく!ブログ

こう言う人もいます。名刺を作って肩書きにイラストレーターと書いたならあなたは今日からイラストレーターだと。

実績がないからイラストレーターにはまだなれない、と言い続けて数年が過ぎる人を何人も見てきました。私もいつかはそうでした。しかし実際には「私はイラストレーターです」と名乗ってはじめてイラストの依頼が来るのです。

いしつく!の教科書

「ポートフォリオサイトで仕事依頼が来るって、ほんとにそんなこと可能なの?」

そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。

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