みんなが言ってる「ホームページ」は誤用で、正しい言葉は「ウェブサイト」。この機会だから覚えて帰ってね。
じゃあ「イラストサイト」「ポートフォリオサイト」などの言い方はどういう意味なの? いろんな言葉があるので混乱している人もいると思います。解説していくよ。
ホームページとウェブサイトって違うの?
ホームページとウェブサイトは、同じものとも言えるけど、本来は違うもの。それが答えです。
一般的にみんなが言ってる「ホームページ」を正しく言うと「ウェブサイト」です。この場合、「ウェブサイト」の代わりに「ホームページ」って言っているだけなので、意味は同じなわけです。
ただし、みんなが使っている「ホームページ」は誤用、つまり間違った使い方です。
正しい意味でいうと、ホームページとウェブサイトは違うものをさす言葉です。
- みんなが言ってる「トップページ」を正しく言うと「ホームページ」
- みんなが言ってる「ホームページ」を正しく言うと「ウェブサイト」
これが正解。
「ホームページ」は本来どういう意味なの?
「ホームページ」の本来の意味はふたつあります。
- ウェブブラウザで、画面を開くと最初に表示されるページ。
- ひとつのウェブサイトの中で、最上位の代表ページ。
1. のほうは自分で自由に設定できるんだけど、昔はYahoo!以外にも「ポータルサイト」って言われるウェブサイトがいっぱいあって、その中から自分の好きなサイト (またはパソコンメーカーがゴリ押ししてくるサービス ^^;) を設定している人が多かった。
2. のほうは、あるウェブサイトのURLのドメイン名だけを入力すると自動的に表示されるページが、それ。少し詳しい人なら index.html といえばわかるかな。
ようするに、「ホームページ」って、リンクをたどってあっちこっち見てるうちに、自分がどこを見ているのだかわからなくなったとき、戻ってくるためのページだから「ホーム」なのです。だからお家のマークがつくんですね。
ちなみに 2. のことを「トップページ」って呼ぶ人も多い。これも一種の誤用なので、二重に混乱が生まれているって言えますね。
トップとは英語で上部のこと、なので、本来はひとつのウェブページの上の部分を指すのが適当な言葉です(「トップへ戻る」 = スクロールした下から上へ戻る)。
「ホームページ」と「ウェブサイト」どっちが正しいの?
「ウェブサイト」が正しい言葉です。
「ウェブ」はWWWのこと、「サイト」は「ある場所」を指します。これ以置き換えられないくらいシンプルな言葉ですね。ある1ページを指す場合は「ウェブページ」といいます。
この話をしてると、こういう反論をしてくる人が必ずいますね。
「ウェブサイトなんて言い方なじみがないし、みんながホームページって言ってて通じてるんだからホームページでいいじゃん」
言いたいことはわかるんですが、ウェブのプロの目線でみると、正直なところ「ちゃんと通じてる」とは言えないと思います。
ここ数年、小さな事業者が増えました。個人がお店を持ったり、個人クリエイターとして活動する人が増えました。そうすると、しぜんウェブサイト制作を依頼する個人も増えました。
ホームページのことをトップページ、ウェブページのことをホームページと、重ね重ねの誤用が存在するおかげで、一般の人にウェブサイトの作り方を説明するのはとても難しいです。いつでも「ホームページ(いわゆるトップページ)」のような長ったらしい記述が必要です。
この点について、ウェブ屋として、私はマスコミを非常に恨んでいます。なぜもっと早い時期に正しい用語を選択し広めてくれなかったのか。
本来の意味での「ホームページ」はいまでももちろん健在です。あなたもウェブブラウザのホームにGoogleかYahoo!を設定しているのではありませんか? また「ホームページ」はウェブサイト制作においてはどのサイトにも100%登場する、重要な存在です。
「ホームページ」には「ホームページ」の役割があります。一方で、「ウェブサイト」は「ウェブサイト」以外のなにものでもありません。
だったら、本来の役割に応じた名前で呼ぶのがふつうじゃないでしょうか。
だから、「ウェブサイト」「ウェブページ」と呼ぶべきです。
「HP」は「ホームページ」の略称ではない
ホームページを略して「HP」と書くのもやめましょう。HPはパソコンやプリンタでおなじみのヒューレットパッカード社を意味します。
じゃあ「イラストサイト」「ポートフォリオサイト」は?
いしつく! はイラストレーターに向けてウェブサイトの作り方を教えているわけですが、イラストレーターのウェブサイトはいろんな呼び方をする人がいますね。
「イラストサイト」とか「イラストポートフォリオサイト」とか呼んでいる人が多いように思います。でも「イラストホームページ」と言い表す人はなぜかあまり見ませんね。
「ホームページ」になじみがあっても、「イラストサイト」のほうが語呂がいいからでしょうか。日本語っていい加減ですね(笑)
では「イラストサイト」と「イラストポートフォリオサイト」が別モノなのか? と言われたら、そんなことはないんです。人それぞれ、自分の好きな呼び方を採用しているだけ、という感じがします。多少、言葉の重みの違いはあるかもしれません。
「ホームページ」ではなく「ウェブサイト」が正しい呼び方
ぜひ名前だけでも覚えて帰ってください(笑)
しかし重要なのは、どう呼ぶかにこだわるよりも、そのウェブサイトを何のために作るかの目的です。
いしつく!の教科書
「ポートフォリオサイトで仕事依頼が来るって、ほんとにそんなこと可能なの?」
そんなイラストレーターに読んでほしい全5章のnoteマガジンです。専門用語はできるだけ使わずに書きました。
目次 & 概要
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まえがき 9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない
そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?そう思っているかたに、私の体験をお話しします。まえがきを読む » -
第1章 イラストサイトに仕事の問い合わせが来ないのは、こんな勘違いをしているから
「作品ギャラリー」を作ろうとしたり、ウェブサイトなんか活用できないものと思い込んでいたり。よくある勘違いを挙げました。1章を読む » -
第2章 仕事の取れるイラストサイトを作るための、正しい作戦
どう作り、どう利用していくべきか、という全体の作戦をお伝えします。いちばん大切なのは、信頼を得ること。バズや過剰なアクセス稼ぎは要りません。2章を読む » -
第3章 仕事の取れるイラストサイトを作るためには、こんな材料をそろえよう
ドメインやサーバー、コンテンツの用意のしかたを解説します。プロフィール文の改善例や、イラスト画像の準備のポイントなど。3章を読む » -
第4章 仕事の取れるイラストサイト、レイアウトの正解例
実際に運営されているウェブサイトのレイアウトとページ構成を解説します。なぜそのようになっているのか、デザインには理由があります。4章を読む » -
第5章 作ったあとどうする?上手な活用とは
ウェブサイトは作って終わりではありません。SEOについて、ブログのやりかた、営業メールの送りかた、現実の営業に活かしていく方法など。5章を読む »